鹿児島県のトカラ列島近海で地震相次ぐ気象庁が注意呼びかけ

鹿児島県のトカラ列島近海（小宝島付近）で21日朝から地震活動が活発化している。気象庁は、今後もしばらくこの活動が続くとみて、住民に注意を呼びかけている。この地域のトカラ列島地震は、過去にも同様の群発地震が観測されている。

群発地震の背景と過去の活動

トカラ列島近海では、過去にも数年に一度の頻度で短期間に地震が続発する「群発地震」と呼ばれる活動が見られている。最近では、2023年9月だけで震度1以上の地震が346回発生している。さらに記憶に新しいところでは、2021年12月にも308回の地震が発生し、その中にはM5.9、最大震度5強の地震も含まれていた。この2021年12月の地震では、悪石島で崖崩れなどの被害も発生している。
鹿児島県十島村にある悪石島を空撮した写真

気象庁からの注意喚起と今後の見通し

福岡管区気象台は、今回の地震活動について、過去の事例に照らし合わせると、しばらく継続する可能性が高いとの見解を示している。また、現在観測されている震度やマグニチュードよりも、さらに強い揺れを伴う地震が発生する可能性も否定できないとして、住民に対し注意を呼びかけている。「地震への備えを改めて確認してほしい」と強く促している。

現地（悪石島）の状況

鹿児島県十島村役場の悪石島出張所によると、これまでの地震による被害やけが人は、現在まで確認されていない。島民の中で避難している人もいないという。松下由貴所長は現地の状況について、「夜間も揺れが絶えず続き、寝不足を訴える住民もいる」と述べた。さらに、「より大きな地震が起きるのではないかという不安の声も広がっている」と、島民の心理的な負担に言及した。

今回のトカラ列島近海の地震活動は、過去にも見られた群発地震の可能性が高く、気象庁はしばらく継続するとの見通しを示し、引き続き注意を呼びかけている。住民は、万が一に備え、地震への対策を再確認することが重要である。