日がな一日、パソコンに向かって仕事をしているビジネスマンにとって深刻なのが「首のこりや痛み」。理学療法士の沖倉国悦氏によれば、こうした「首のこりや痛み」は、じつは肩こりや腰痛の危険信号なのだそうです。ですが、首をぐるぐる動かすなどストレッチをしても、揉んでみてもなかなかよくならないという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで本稿では、沖倉氏の著書『筋肉のつながりを知れば「肩こり」と「腰痛」は自分で解消できる』から一部を抜粋・編集する形で、「首のこりや痛み」を引き起こす原因と、その対策法を解説します。
■首のこりは、肩こりや腰痛の「危険信号」
最近悩みを訴える人が多いのが、首のこりや痛みです。寝違えたような痛みを常に抱えながら暮らしているという人も少なくありません。
では、なぜ最近首に悩みを抱えている方が増えてきたのか。その原因のひとつが、スマートフォンの長時間の利用です。
試しに今、スマホや携帯を手に持って、いつものように画面を見てください。いかがでしょう。首を垂れるような形で、少し頭が前に出るような姿勢になったのではないでしょうか。
この姿勢が実に首によくないのです。ちょっとお行儀が悪いかもしれませんが、食事のときなどに1度次のようなことを試してみると実感できると思います。
まず、肉じゃがのじゃがいもでも、小分けにしたリンゴでも構いませんので、それなりの大きさの食べ物をつまようじ、プラスチックのフォークなどで刺して、食べ物が上になるように持ち上げてください。
そして、フォークやつまようじを地面と垂直にして持っているときと、少し地面側に食べ物を傾けているとき。どちらが、手に負担がかかっているでしょう。
地面側に食べ物を傾けたほうが、手に負担を感じるのではないでしょうか。先ほど述べたように、頭を下向きに傾けてスマホを見る姿勢が、この地面側に食べ物を傾けている状態です。
つまり、スマホを見る姿勢をとり続けることによって、頭を支える首に余計な負担がかかり、その状態が長く続くことで癒着が起こり、首にこりや痛みが生まれてしまうのです。
「わたしは、スマホをあまり見ないけど……」と思われた方もいらっしゃることでしょう。先ほどは、首のこりや痛みを訴える人が増えた原因が、近年スマホを見る時間が増えたことが一因ではないかと述べただけです。スマホ=首のこりや痛みの原因であると断定しているわけではありません。






