近年、ゲリラ豪雨や花粉の影響で外干しが難しく、部屋干しのニーズが増加。天候に左右されない衣類乾燥除湿機は必需品となりつつあります。今回は、コンパクトな最新モデル3機種をタイプ別に比較紹介します。
シャープ、シロカ、アイリスオーヤマの衣類乾燥除湿機3機種(左からCV-T60、SDC-10D171、IJDI50-WH)の写真
衣類乾燥除湿機の主なタイプとその特徴
衣類乾燥除湿機には主に「デシカント式」「コンプレッサー式」「ハイブリッド式」があります。それぞれ仕組みや得意な環境が異なりますが、本記事では、本体サイズや重量が比較的コンパクトで、家庭で扱いやすいデシカント式とコンプレッサー式の製品に焦点を当てて紹介します。高性能なハイブリッド式は本体が大きく重量もあるため、今回は取り上げません。
冬場に強く、軽量コンパクトなデシカント式
デシカント式は、内部の吸湿材で空気中の水分を取り込み、ヒーターで温めて水分を蒸発させて除湿する方式です。気温が低い冬場でも安定した除湿性能を発揮するのが特長です。ただし、ヒーターを使用するため消費電力が高くなりやすく、運転中に室温が上昇しやすいというデメリットがあります。今回紹介する中で、シャープの「CV-T60」(実勢価格約36,800円、約6.7kg)とアイリスオーヤマの「IJDI50-WH」(実勢価格約19,800円、約7.8kg)がデシカント式です。これらは設置スペースを取らず、軽量で持ち運びも容易です。
梅雨時期や夏場に活躍するコンプレッサー式
コンプレッサー式は、冷たい面に空気を当てて水分を結露させ、タンクに集める方式です。エアコンの除湿機能と似た仕組みです。デシカント式と比較して消費電力が少なく、室温上昇も比較的抑えられるため、特に気温の高い梅雨時期や夏場の使用に適しています。一方、構造上、本体サイズが大きくなり重くなる傾向があり、今回紹介するシロカの「SDC-10D171」(実勢価格約29,700円、約13.4kg)のように、コンパクトな製品でもデシカント式より重量があることが多いです。SDC-10D171は設置面積がA4サイズに収まるコンパクトさです。
衣類乾燥除湿機は、天候に左右されず快適に部屋干しを行うための有効な手段です。デシカント式は冬場に、コンプレッサー式は梅雨や夏場に適している傾向があります。用途や季節に合わせて、最適な一台を選びましょう。