中国で、7歳の女児を誘引し、性的暴行を加えた上で殺害した男に対し、死刑が執行されました。この事件は、その残虐性から国内外で大きな注目を集めていました。
中国で死刑が執行された事件を伝える記事に関連する中国国旗
現地メディア「紅星新聞」などの報道によると、湖南省の裁判所は、強姦罪と殺人罪に問われていた朱佳琦(28歳)に対し、6月6日に死刑を執行したことを明らかにしました。
朱は2021年10月30日午前、湖南省長沙市長沙県の路上で、当時7歳だった女児に自転車修理を申し出るなどして接近。言葉巧みに森へ誘い込みました。「小さいウサギを見に行こう」と誘われた女児は、抵抗できない状況に置かれ、首を絞められるなどの暴行を受け、性的虐行の末に殺害されました。犯行後、朱は現場から逃走していました。
中国で7歳女児殺害と性的暴行の罪で死刑執行された男(朱佳琦)に関する報道写真
被害女児の父親は、娘を探すために必死に行方不明広告を出し、国内外から多くの人々が関心を寄せました。しかし、捜索むなしく女児は遺体で発見され、この事実は地域社会に深い悲しみと同時に、犯人への強い怒りを巻き起こしました。
警察は、迅速な犯人逮捕を目指し、情報提供者に10万元(日本円で約202万円)の懸賞金を設けて広く協力を呼びかけました。その懸賞金が奏功し、事件発生からわずか3日後に容疑者の朱を特定し、検挙に至りました。
長沙市中級人民裁判所の1審判決文によると、朱はオンライン金融からの借金返済に苦しんでおり、金銭的な困窮が犯行動機の一つと見られています。1審裁判所は、抵抗する能力がほぼない8歳未満の幼い被害者に対する極めて残虐で非人道的な犯行であるとし、「罪質は非常に深刻かつ悪質であり、社会に与えた害悪は計り知れないほど大きい」と断罪。朱に死刑を宣告しました。
朱は1審での死刑判決に対し、控訴や異議申し立てを行いませんでした。これにより判決が確定。その後、最高人民裁判所の慎重な承認手続きを経て、今回の死刑執行が決定、実行されたものです。
この衝撃的な事件は、未成年者を狙った凶悪犯罪の深刻さと、それに対する中国の司法の厳しい姿勢を示す事例となりました。法の厳格な適用により、事件は終結を迎えました。