立憲民主党・鎌田さゆり議員の「さくラップ」に賛否 – 参院選新潟を応援、問われる国会外での振る舞い

7月に迫った参議院選挙。その前哨戦とされる東京都議会議員選挙で野党第一党となった立憲民主党は、多くの国民が懸念する物価高への対策を主要政策に掲げ、国政でのさらなる勢力拡大を目指している。しかし、参院選の新潟選挙区(改選数1)で立候補予定の現職、打越さく良議員(56)を応援する立憲民主党のベテラン議員のメッセージが、支持層からも厳しい批判を浴びる事態となっている。問題となっているのは、同党所属で衆議院議員を4期務める鎌田さゆり議員(60)だ。

鎌田氏は6月22日から自身のX(旧Twitter)アカウントで打越氏の選挙に関する投稿を開始。特に波紋を呼んだのは、23日に投稿された動画だ。この投稿で鎌田氏は「#打越さくら」「#参議院議員」「#新潟」「#さくら」といったハッシュタグと共に、「さくラップ」と題した自身のラップパフォーマンスを披露した。

動画の中で鎌田氏は、お笑い芸人の春日俊彰氏の「カスカスダンス」を思わせるような腕の動きを交えながら、「さくら!さくら!さくら!」と打越氏の名前を繰り返した。「大企業を守らず中小企業守ろう」「食料品は消費税ゼロでいこう!」など自身の政策主張も織り交ぜつつ、「私はカマタ、カマタカマタ」と自身の名前も連呼。「さくラップ」というネーミングを自身が考えたこともアピールしていた。

「さくラップ」への音楽関係者や支持層からの厳しい声

この「さくラップ」動画に対し、音楽関係者からは厳しい評価が出ている。ある音楽ライターは、「ラップで重要視される『フロウ』(歌いまわしの技術)がなく、抑揚がない。時折韻を踏んでいるようだが、これも歯切れが悪い。全体的に名前の連呼ばかりで、肝心のメッセージが伝わってこない」と指摘。「テンションは高いが、ラップで応援する必然性や意図が感じられない」とコメントしている。打越氏のXアカウントは鎌田氏の他の選挙協力の投稿を多くリポストしているが、「さくラップ」には一切触れていないことも、響かなかった可能性を示唆している。

また、この動画は立憲民主党の支持層からも不評を買っている。X上には以下のような声が投稿され、批判が広がっている。

立憲民主党の鎌田さゆり議員が政治活動中に話す様子立憲民主党の鎌田さゆり議員が政治活動中に話す様子

  • 《打越さんも大迷惑 最近変だよ鎌田さん》
  • 《ときどきマヌケなことをして批判されるのが残念です》
  • 《立憲 鎌田さゆりさん情けないこちらが恥ずかしい》
  • 《国民を馬鹿にしているのでしょうか?国会議員はタレントではないです。政策を話せないのでしょうか?》
  • 《こう言うの好きじゃない。立憲に取ってマイナス》

これらの批判の背景には、最近報じられた鎌田氏に関するある「疑惑」も影響しているようだ。

過去の「パワハラ疑惑」も批判の背景に

政治部記者によると、鎌田氏は今年5月29日発売の「週刊文春」で「パワハラ疑惑」が報じられている。記事内容は、過去にグループLINEで秘書を厳しく叱責したことや、選挙事務所で飼育するヤギに対し秘書に挨拶するよう「強要」したというものだった。

鎌田氏は「週刊文春」の取材に対し、「挨拶を強要することは一切ない」と疑惑を否定している。立憲民主党の野田佳彦代表は5月30日の会見で、この件について小川淳也幹事長に対応を一任していることを明らかにしていた。今回の「さくラップ」投稿への批判の中には、この過去のパワハラ疑惑を持ち出す声も多く見られたという。

鎌田氏と言えば、国会での切れのある質疑応答で評価されることも多い議員だ。しかし、今回の「さくラップ」や過去の報道を巡る一連の反応は、国会外での振る舞いについても再考を促す契機となっているのかもしれない。

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