立憲民主党は24日、常任幹事会で7月の参院選比例代表候補として蓮舫元参院議員の公認を決定した。野田佳彦代表の強い意向が働き、知名度を生かして比例票の上積みを狙うが、党内には早くも反発が広がっている。
蓮舫氏と立憲民主党の野田佳彦代表が並ぶ(2024年7月撮影)
反発強まる産別と党内批判
小川淳也幹事長は24日の記者会見で、蓮舫氏擁立について「全国比例候補として北海道から沖縄まで走り回っていただき、貢献することを期待している」と説明した。しかし、立憲民主党を支援する連合傘下の産業別労働組合(産別)は強く反発している。参院選比例代表は、候補者名と政党名の合計得票で議席が決まり、原則として候補者個人の得票が多い順に当選する仕組みだ。このため、知名度の高い蓮舫氏が多くの票を集め、産別が支援する組織内候補の当選順位が下がる、あるいは落選する可能性が指摘されており、産別からの反発が強い。党執行部は記者会見で「『誰がはじかれる』『どこの団体がはじかれる』ということを憂慮した声は一切なかった」と強調するが、現場の不満はくすぶる。
野田代表への「側近政治」批判
また、野田代表の政治手法にも批判が集まっている。野田氏は自身に近い手塚仁雄幹事長代行らを重用しており、「側近政治だ」との声が党内にある。今回の蓮舫氏擁立も野田代表の意向が強く働いたとみられており、ある立民中堅議員は「野田氏はえこひいきで蓮舫氏を復帰させたいのだろうが、有権者も党員も求めていない。これで負けたら抗争になる」と語気を強めた。
過去の「国政に戻らない」発言との矛盾
蓮舫氏は昨年6月に立憲民主党を離党、7月の東京都知事選に無所属で出馬し3位に終わった後、自身のSNSに「今は国政選挙を考えていない」「120万を超える人が『蓮舫』と書いてくれた。これでまた国政に戻るのは私の中では違う」と投稿していた。別の立民中堅は「ブーメランとはまさにこのことだ」とあきれ顔を見せた。
まとめ
蓮舫氏の公認決定は、党勢拡大を狙う野田代表の賭けだが、産別との軋轢、野田氏への側近政治批判、そして蓮舫氏自身の過去の発言との矛盾という、複数の火種を抱えた形だ。党内にはすでに不協和音が響き始めており、この決定が参院選の結果次第では、野田代表にとって〝時限爆弾〟となりかねない状況だ。