「募金額をコントロールしたかった」24時間テレビ・チャリティー募金着服男の“身勝手すぎる言い分”「上司に怒られるのも嫌で…」【第2回公判】


【写真】「キャッシュレス募金」を打ち出す今年の24時間テレビのホームページ。謝罪した水卜アナの“夫婦ツーショット”も

 この日、第2回公判で行われた被告人質問では、田村被告が横領に至った経緯などが語られた。その主張内容は、信頼回復に向けて尽力しているであろう日本テレビ、日本海テレビの頭を悩ませるような内容だった。裁判ライター・普通氏がレポートする。【全3回の第2回。第1回から読む】

きっかけは「200万円のマイナスを補填」

 当時、日本海テレビの経理業務全般を管轄する立場にあった田村被告。問われている罪は大きく2つだ。ひとつは会社の預金口座から合計約470万円を自己の用途で着服したこと。もうひとつは「24時間テレビチャリティー募金」について、自身の口座に10万5000円を入金したことだ。

 ひとつめの会社の口座からの着服について、田村被告は捜査機関の取調べで、「飲食やスロットなどに使った」などと使途について供述していた。しかし、今回の公判ではこういった目的を否定し、次のような内容を述べた。

 田村被告は複数の銀行口座を有していたが、着服と同時期、親族のために金を貸すことで1つの口座が200万円のマイナス残高となってしまったという。そのマイナスを補填するために会社の口座に金に手をつけたのが、最初のきっかけだったと主張した。

 さらに田村被告は、着服した金を日本海テレビの売上や経費の補填のために使い、その明細はエクセルで管理をしていたと語ったのだ。

 具体的に補填した例として、田村被告は次のように列挙した。

・物販会場で、売上とレジ内の金銭が合わなかったときの補填
・天候でイベントがキャンセルになった際の、シャトルバスのキャンセル料
・会場のバックヤードが暗いと感じたので、照明の購入
・イベント会場に来るバイトが1人だと思っていたが2~3人来たのでその分の人件費

 いずれも社として正式に経費精算すべき事項に思えるが、社内の誰にも相談するでもなく自分で決めたという。その理由として「自分が(会社経理を)回している気になりたかった」という独善的な考え方を明らかにした。



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