フィナンシャル・タイムズ紙論説:李在明新大統領が直面する深刻な課題

最新の韓国大統領選挙で、共に民主党の李在明氏が明確な勝利を収めました。これは前大統領による戒厳令試みが否定され、民主主義が確認された出来事として注目されています。しかし、フィナンシャル・タイムズ紙の論説は、李新大統領の前途は「いばら」の道であり、国内外で深刻な課題に直面していると警告しています。韓国は国際政治と世界貿易で重要な位置を占めており、この選挙結果は安定への希望をもたらす可能性がある一方で、国内外の困難が待ち受けています。

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国内の政治分断と統一への道

李在明新大統領が就任演説で今後直面する課題には「想像を絶する汗と涙、そして忍耐」が必要と述べたように、韓国は深刻な国内問題に直面しています。特に、尹錫悦前大統領による戒厳令の試みとそれに続く弾劾は、韓国社会の政治分断を一層深めました。李新大統領は政治的立場を中道に移動させ、「分断の政治を終わらせる」と誓っています。敗北した保守派候補が指摘した「大統領府と国会を民主党が掌握することが戒厳令よりも民主主義への脅威」という主張に対し、国民統一への真摯な取り組みが最良の反論となるでしょう。

対外関係における喫緊の課題

李新大統領は、国際関係においては抑制と現実主義を示す必要に迫られています。最も切迫した課題の一つは、米国のトランプ氏による関税攻勢の可能性など、予測不可能な米国政府への対応です。これは既に減速傾向にある韓国経済にさらなる打撃を与えかねず、トランプ氏の気まぐれな外交姿勢は北朝鮮に対抗するための米韓同盟の将来にも疑問を投げかけています。伝統的に韓国左派政権は米国からの自立や中国・北朝鮮との関係改善を模索してきましたが、李新大統領は最近、外交の「基盤」として米韓同盟を強化すると約束し、中国には一切言及していません。北朝鮮との対話チャンネル維持の約束も、益々敵対的姿勢を強める北朝鮮への大きな方針転換にはならないと見られています。

最も喫緊の懸念:日本との関係

フィナンシャル・タイムズ紙は、李新大統領が旧植民統治国である日本との関係をどのように扱うかが、恐らく最も喫緊の懸念だと指摘しています。尹錫悦政権下では、両国は和解に向けて動き、民主主義国家として地域安全保障や国際貿易秩序における協力強化への期待が高まっていました。李新大統領がこの関係をどう維持・発展させるかは、彼の外交手腕が問われる重要な点となります。

結論

李在明新大統領の明確な選挙勝利は韓国民主主義の力を示しましたが、彼が直面する国内外の課題は山積しています。フィナンシャル・タイムズ紙の論説が示唆するように、政治分断の解消、経済の立て直し、そして米日を含む主要国との複雑な関係の管理は、彼にとって「いばら」の道となるでしょう。

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