日本の新車市場でわずか1%?それでも若者が「MT車は楽しい」と語る理由

日本で販売される新車のうち、マニュアルトランスミッション(MT)車の比率はわずか1〜2%に過ぎない。オートマチックトランスミッション(AT)車が主流となった現代において、なぜ一部のドライバー、特に若者たちがMT車に魅力を感じ、「楽しい」と語るのだろうか。ベストカー編集部の若手二人が、それぞれの愛車と共に、そのMT愛を語る。

マニュアルトランスミッション車の運転席風景マニュアルトランスミッション車の運転席風景

21歳・フクダ氏が語る「MT車は必要か?」論

楽しいですよ、MT車。愛車のインテグラも購入から3年で5万kmを走行し、故障と修理を繰り返しました。サーキットイベント『Attack筑波』にも出場し、十分に楽しんでいます。しかし今の時代、MT車は必要かと言われれば、あえて断言します、『必要ありません』と。性能でもコスパでも、AT車がMT車を凌駕する。トラックでさえATが支持される昨今、MT車を選ぶ合理性は少ない。それでもMTが支持される理由は、「自分で機械を操ることの楽しさ」。だからMTは必要という考えも正しい。言いたいのはひとつ。いざ乗ってギアを操作してみると、やっぱ楽しいんですよ、MT車は。

28歳・モチヅキ氏「日常のAT、週末のMT?」

私が20歳の時、初めてのマイカーはR32スカイラインGTS-tタイプMの5速MTでした。まるで平成初期の話のようだが、これは2010年代の実話です(笑)。現在はATの初代プリメーラを日常の足に。スカイラインは車検切れだが手元に残し、近いうちに公道へ戻すつもりです。私も「クルマのキャラに合っていればATでもMTでも良い」タイプだが、個人的にはMT車のほうが集中して運転を楽しめる気がする。プリメーラは楽だが、運転中は結構「なんか暇だな…」と思う。だからスカイライン公道復帰が非常に楽しみ。しっかり直して、全国いろんなところに行きたい!

ベストカー編集長が語る「MTの魅力」

日本国内の新車販売において、MT車の比率はわずか1%。先に実施された道交法改正でMT免許が取りづらくなったのも、時代の流れとして仕方ない面もあるかもしれない。だが、両手両足全てを使ってクルマを文字通り「操る」MT運転は格別の楽しさがある。MTであるだけで、クルマの持つ「面白さ」はほぼ確実に上がる。そして幸いなことに、日本市場にはまだMTが設定されているモデルが多く残っている。取得難易度は上がったが、これからの若い世代の方々には、ぜひともMT免許を取得し、MT車がもたらす運転の醍醐味を存分に味わってほしいと思う。

新車市場で存在感を薄める中でも、MT車は「自分で操る楽しさ」という独特の魅力で、一部のドライバーを惹きつけ続けている。デジタル化が進む現代において、機械とのダイレクトな対話を感じられるMT車の運転は、単なる移動手段を超えた特別な体験となる。MT車の未来は明るくないかもしれないが、運転する喜びを求める声がある限り、その火が消えることはない。

参考資料

https://news.yahoo.co.jp/articles/e7d095a5605c1ce0e2de85502fb9e13bf6dcea68