「波うららかに、めおと日和」江端瀧昌役で魅せた本田響矢、次に見るべき作品は?

フジテレビ系で放送されたドラマ『波うららかに、めおと日和』が最終回を迎え、昭和初期の控えめながら心温まる夫婦の物語が多くの視聴者の心に残った。特に、恋に不慣れながらも誠実で優しい帝国海軍中尉・江端瀧昌を演じた本田響矢の存在感が光った。彼の無口な佇まいの中に宿る深い優しさや、不器用ながらも相手を気遣う仕草は、いわゆる胸キュンとは異なる、静かに惹きつけられる魅力があった。この「瀧昌さま」に心奪われた多くの人々が現在感じているであろう喪失感、いわゆる「瀧昌さまロス」を癒すために、本田響矢の多様な演技が見られる代表作をいくつか紹介する。彼の役柄の幅を知ることで、俳優・本田響矢の新たな魅力を発見できるだろう。

ドラマ「波うららかに、めおと日和」江端瀧昌役の本田響矢ドラマ「波うららかに、めおと日和」江端瀧昌役の本田響矢

「瀧昌さまロス」を癒す本田響矢の魅力的な役柄たち

『波うららかに、めおと日和』の江端瀧昌役で見せた静かで内向的な演技とは対照的に、本田響矢が演じる役柄は非常に幅広い。彼の俳優としてのポテンシャルは、「瀧昌さま」以外の役を通してより明確に理解できる。ここでは、「瀧昌さまロス」に寄り添い、彼の別の顔を見せてくれる作品を深掘りする。

『すぱいす。』で見せる「陽」の演技

BS-TBSで放送された『すぱいす。』で本田が演じたキッチンカーを営む青年・北野祐樹は、『めおと日和』の瀧昌とは真逆とも言える「陽」のキャラクターだ。底抜けに明るく、誰に対しても分け隔てなく話しかける彼の姿は、笑顔を絶やさず、会話を軽快に進める。この祐樹役は、本田が持つ演技の幅を端的に示す一例である。しかし、単に明るいだけでなく、祐樹がまとう空気感には、見る人を安心させる根っこの誠実さが滲み出ている。瀧昌が沈黙の中で表現した優しさを、祐樹は言葉と笑顔でストレートに伝えているのだ。このキャラクターを通して、本田響矢という俳優が持つ本来の温かさや、多様な表現力に触れることができるだろう。「瀧昌さまロス」の寂しさを、祐樹の明るさで和らげることができるかもしれない。

ドラマ「すぱいす。」主演時の本田響矢ドラマ「すぱいす。」主演時の本田響矢

『青春シンデレラ』の不器用な優しさ

ABCテレビ・tvkで放送された『青春シンデレラ』では、ヒロインの初恋相手である長谷川颯真を演じた。学園内で注目されるクールな高校生という設定だが、その内側には照れ隠しや優しさが混じった繊細な感情を秘めている。素直に想いを伝えられずにそっけない態度をとってしまうが、時折見せる眼差しや何気ない一言に、不器用ながらも相手を大切に思う気持ちが滲み出る様子は印象的だ。彼のこうした表現は、瀧昌がなつ美に向けた細やかな気遣いや、言葉にならない思いやりと重なる部分がある。昭和の軍人と令和の高校生という、立場も時代も全く異なる役柄でありながら、大切な人へ向ける根源的な優しさは時代を超えて変わらないことを感じさせてくれる。この役を通して、本田響矢が表現する「クールさの裏にある温かさ」という魅力を再確認できるだろう。

『私は整形美人』の静かな共感

フジテレビで放送された『私は整形美人』で演じた坂口慧もまた、学園内で一目置かれるクールな存在だ。整った容姿と落ち着いた物腰で周囲の注目を集める一方で、どこか心の壁を感じさせる佇まいが特徴的だった。常に冷静で、必要以上に感情を表に出さず、周囲とも一定の距離を保っている。しかし、その静けさの裏には、恋愛への不慣れさや自分自身への不確かさといった、思春期特有の葛藤が色濃く滲んでいる様子を、本田は繊細に演じ分けた。特に印象的なのは、ヒロインが悩みを吐露するシーンでの彼の反応だ。周囲との関係に悩み、自分の存在意義に揺れる彼女に対し、坂口は多くを語らない。ただ隣に寄り添い、少しうつむきながらぽつりとこぼす一言が、説明や慰めよりも深く、相手の心に寄り添っていく。本田はここでも、目線や呼吸といった微細な演技を通じて、内に秘めた複雑な感情を丁寧に表現していた。この役は、静かな演技の中に深い感情を宿らせる本田響矢の特質をよく示している。

結論

『波うららかに、めおと日和』の江端瀧昌役で多くのファンを魅了した本田響矢だが、彼の演技の魅力は「静かな誠実さ」に留まらない。『すぱいす。』で見せた陽気さ、『青春シンデレラ』の不器用な優しさ、『私は整形美人』の内に秘めた葛藤と静かな共感など、彼が演じた他の役柄は、その多様な表現力を証明している。これらの作品を観ることは、「瀧昌さまロス」を癒すだけでなく、俳優・本田響矢の持つ豊かな才能と今後の可能性を感じさせてくれるはずだ。彼の今後のさらなる活躍に期待したい。

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