六代目山口組 竹内若頭が東京で極秘会合 三社親睦会に出席し新体制と結束強化を示す

真夏日が続く6月下旬の東京都内、台東区の住宅街。五代目國粹会の会館周辺は、スーツ姿の男たちや多数の捜査員により異様な緊張感に包まれていた。正午前、この厳戒態勢の中、日本の最大組織である六代目山口組のナンバー2、竹内照明若頭(65)が会館から姿を見せた。整列した組員から一斉に挨拶が飛ぶ。まさに気温が30度を超えようかという暑さの中、兵庫県警、警視庁、地元警察署の捜査員ら十数名が警戒に当たる厳戒体制が敷かれていた。この日、都内では三社親睦会という重要な会合が開かれていたのだ。

「三社親睦会」の目的と竹内若頭の存在感

三社親睦会とは、六代目山口組と、関東を拠点とする友好団体である稲川会、松葉会の最高幹部数名が集まり、親睦を深めるための定例会合である。年間3回開催され、各団体が持ち回りでホストを務める。今回は六代目山口組の番であり、都内にある直系組織である五代目國粹会が会場となった。

六代目山口組の竹内照明若頭(中央)が東京都内の五代目國粋会会館から姿を見せる様子。三社親睦会出席のため上京したとみられる。六代目山口組の竹内照明若頭(中央)が東京都内の五代目國粋会会館から姿を見せる様子。三社親睦会出席のため上京したとみられる。

この会合には各組織のトップは出席しないのが通例だが、竹内若頭は若頭補佐時代には例年出席していた。しかし、今年4月に若頭に就任してからは初めての三社親睦会であり、その出席が渡世では注目を集めていた。

抗争終結宣言後の若頭の「一挙手一投足」

竹内若頭の出席が注目された背景には、六代目山口組が今年4月7日に兵庫県警に対し、神戸山口組との抗争終結を宣言する「誓約書」を提出した事実がある。その直後の4月18日に行われた執行部人事で、竹内氏が若頭に就任した。山口組に精通しているジャーナリストは「若頭としてのその一挙手一投足は、これまで以上に渡世では注目を集める」と指摘する。竹内若頭がこのような公式な親睦会に出席することは、神戸山口組に対する無言の圧力をかけ続ける意味合いを持つ。当時の髙山清司若頭(77)が「離脱者をかまうな」「六代目山口組は前進あるのみ」といった言葉を全直系組長に伝達したとされており、今回の竹内若頭の行動は、この方針を体現しているようにも見える。

新体制の布石と異例の参加人数

竹内若頭は午前11時前に会館に到着し、帰る際も会館の駐車スペースで車に乗り込むなど、行動に細心の注意を払っていた様子がうかがえる。今回の会合には、六代目山口組からは竹内若頭のほか、森尾卯太男本部長、佐藤光男若頭補佐、藤井英治顧問(五代目國粹会会長)、竹嶋利王幹部の計5名が参加した。稲川会からは貞方留義理事長ら4名、松葉会からは関孝司理事長ら4名の最高幹部が出席している。通常、この親睦会への参加は各団体4名が基本とされているが、今回、六代目山口組は異例の5名を参加させた。

東京都内の住宅街で、六代目山口組の竹内照明若頭が新たな幹部らを伴って移動する様子。三社親睦会への参加と新体制の紹介を示す場面。東京都内の住宅街で、六代目山口組の竹内照明若頭が新たな幹部らを伴って移動する様子。三社親睦会への参加と新体制の紹介を示す場面。

新たな幹部の紹介とその意義

この異例の参加人数からは、対神戸山口組への圧力に加え、竹内若頭の「新体制」の布石がうかがえる。竹内若頭は、4月の執行部人事に続く5月の第2弾改革人事で就任したばかりの佐藤若頭補佐と竹嶋幹部をこの親睦会に同席させていた。「幹部」のポストは、執行部入りの登竜門とされる重要な位置付けであり、今回竹嶋幹部を含めて3名が新たに就任している。これらはいずれも、分裂抗争以降に直参昇格を果たした若手の実力派組長たちである。前出のジャーナリストは、関東の友好団体の最高幹部に昇格したばかりの二人を引き合わせることで、更なる関係性の強化を図ったのではないかと分析している。特に佐藤若頭補佐は、藤井顧問の後を受けて関東ブロック長に就任したとも言われており、最前線での活躍が期待されている。これは、竹内若頭体制になっても、六代目山口組の関東への影響力が変わらないことを示すものだろう。

このように、六代目山口組の竹内若頭は、関東の主要友好団体との親睦会という場で、「若手の登用」や「友好団体との結束の強化」という新体制の下地作りを着々と進めている様子を見せた。来る8月には、山口組の「分裂抗争」から丸10年という節目を迎える。今回の会合に見られたような、六代目山口組内部の引き締めと外部へのアピールが、今後の「渡世」の状況にどう影響するのか。このまま現在の「膠着状態」が続くのか、あるいは新たな動きがあるのか。山口組を巡る状況には、引き続き不気味な緊張感が漂っている。

出典:FRIDAYデジタル