富山県の高岡市長選は29日投開票され、無所属新人で前市議の出町譲氏(60)が現職の角田悠紀氏(42)(自民党県連、公明党県本部推薦)ら2人を破り、初当選した。投票率は55・65%で、前回の58・71%を下回った。当日有権者数は13万6460人。
午後8時頃、同市末広町の出町氏の事務所に当選確実の報道が流れると、集まった支持者らは歓喜に包まれた。
出町氏は「もっと住みたい町にするため、税金の使い方をチェンジするのが使命だと思って戦った。どんなことがあってもくじけずチャレンジし、高岡を変える」と宣言した。
出町氏は自民党の推薦を得られなかったが、選挙戦では一部の市議や経済人、高校の同窓生らと「チェンジ」を合言葉に草の根の活動で支持を広げ、前回選の雪辱を果たした。
今回は自民の推薦を得て、再選を目指した角田氏は「高岡を前へ」をスローガンに、徹底した組織戦を展開したが、票を固めきれなかった。
鐘紡町の事務所で角田氏は「結果は全て、私の責任だ。私ではないという選択をしっかりと重く受け止めている」と語った。自民市連の推薦候補は前回に続いて敗れたことになる。
新人で前市議の中川加津代氏(57)は、同市初の女性市長実現に届かなかった。IT企業誘致による雇用創出など経済政策を訴えたが浸透しなかった。駅南の事務所で「市長という任を担えなかったのは残念」と頭を下げた。