米中部から東部にかけての一帯で異常な猛暑が続いている。23日から24日にかけてはニューヨークやボストンなど東海岸の主要都市で記録的な最高気温を観測し、熱中症の症状で搬送される人が各地で続出した。
ワシントンで猛暑の中、水辺で涼む人々
上空の熱が閉じ込められるヒートドーム現象の影響で、米中部では数日前から酷暑が続き、23日には東部で夏の最高気温と並ぶレベルに到達。24日には暑さがピークに達した。
熱波による各地での具体的な被害
警察によると、ミズーリ州セントルイスでは23日、水もエアコンもない状態で少なくとも3日間過ごしていた55歳の女性が自宅で発見され、死亡が確認された。
マサチューセッツ州ノーフォークでは24日、住宅火災の対応にあたっていた消防士2人が熱中症の症状で病院に搬送された。
ニュージャージー州パターソンでは23日の猛暑の中で行われた高校2校の卒業式で、16人が病院に運ばれ、150人以上が熱中症の症状で診察を受けた。
首都ワシントンでは23日、国立公園で開かれたコンサートの後に6人が病院に運ばれた。ワシントン記念塔は23日と24日、猛暑のために閉鎖された。
ニューハンプシャー州では登山に出かけた10代の2人が23日夜、意識がもうろうとなって救助された。同地の気温はこの日、6月の観測史上最高と並ぶ約35度に達していた。
交通・インフラへの影響
東海岸の列車の運行にも支障が出ている。長距離列車のアムトラックは23日、メリーランド州ボルティモアのトンネル内で動けなくなり、乗客が猛暑の中で1時間以上、車内に閉じ込められた。24日はノースカロライナ州でアムトラックの列車数本が運行を中止し、別の列車もスピード制限がかけられた。
ウィスコンシン州は22日の猛暑で道路の舗装が破損し、幹線道路の一部が通行止めになった。州内では50カ所以上で道路の破損が確認されている。
警戒範囲と記録された気温
米国立気象局(NWS)によると、24日は米東部の約1億6000万人に対して猛暑に対する警戒が呼びかけられた。
マサチューセッツ州ボストンの最高気温は39度に迫り、6月の観測史上最高を更新した。ペンシルベニア州フィラデルフィアやロードアイランド州でも37度を超す記録的な猛暑を観測した。ニュージャージー州ニューアークは39度を超えて6月の観測史上最高と並んだ。
ニューヨーク市のセントラルパークは24日の気温が37度前後にまで上昇。6月としては異常な暑さだった。ニューヨーク市クイーンズ区にあるJFK空港の最高気温は23日、6月の観測史上最高となる約39度を記録。ラガーディア空港は約38度で6月の史上最高と並んだ。
まとめ
米国各地、特に東部と中西部で記録的な猛暑が続き、熱波の影響が深刻化している。広範囲で熱中症患者が続出し、死者も確認されているほか、交通機関の麻痺やインフラへの被害も発生しており、約1億6000万人が厳重な警戒下に置かれている。今後もこの熱波による影響が懸念されている。
出典:CNN
Source link