2024年春に放送されたドラマの多くが最終回を迎えました。今クールで視聴者の心に深く残った作品、あるいは期待外れだった作品は何でしょうか? 本記事では、1000人の女性視聴者を対象に行ったアンケート結果に基づき、特に「がっかり」から「よかった」へと評価が変化した注目のドラマを深掘りします。現実世界では出演者の不倫騒動などが世間を賑わせた春ドラマでしたが、視聴者の心に残った作品の評価はどのように推移したのでしょうか。
視聴者からは「ツッコみながら見ているうちにひき込まれてしまった」(静岡県・37歳)、「ドラマ実況するのが面白かった」(埼玉県・42歳)といった声が聞かれました。
2024年春ドラマで注目された女優たち:左から芳根京子、桜井ユキ、北川景子
視聴者の評価が「がっかり」から「よかった」へ変化したドラマ
まずは「よかった」部門で、女性視聴者が選んだ第5位にランクインした作品です。北川景子主演の『あなたを奪ったその日から』(フジテレビ系)が挙げられます。食品事故で愛娘を失った母親(北川景子)が、事故を起こした惣菜店の社長(大森南朋)を恨み、彼の娘を誘拐。11年間に及ぶ母の復讐と親子愛を描く壮大なストーリーでした。
ライターの津田春子さんは、この作品について、「ツッコミどころが多すぎてネタドラマと化していました(笑)。放送当初は尾野真千子さんなどの演技派がよかったのでは、という声もありましたが、この作品は北川さんだから成功したようなもの。尾野さんが事故で娘を失った母親を演じたら悲惨すぎて見られない。非現実的な美貌の北川さんが演じたからこそ、とっぴな展開もアリとなるし、視聴者もヒロインにあまり同情せずに淡々と見られたのです」と分析しています。週刊女性が5月に行った中間発表では「がっかり」部門にランクインしていた同作ですが、夫であるDAIGOさんのSNSでの宣伝も功を奏したのかもしれません。
次に、「よかった」部門で4位となったのは、恋愛ミステリー『恋は闇』(日本テレビ系)です。「志尊くんがとにかく素敵だった」(東京都・35歳)、「岸井さんが志尊くんに本気で恋しているように見えた」(大阪府・40歳)といった視聴者からの声が寄せられました。連続殺人事件を追う情報番組ディレクター・万琴(岸井ゆきの)と、事件を追うフリーライター・浩暉(志尊淳)が出会い、惹かれ合いながらも事件の真相を追う中で互いに疑心暗鬼になるというオリジナルストーリーです。
ドラマウォッチャーの神無月ららさんは、本作の魅力をこう語ります。「『あなたの番です』『真犯人フラグ』を手がけたスタッフが作ったドラマですが、その2作にハマれなかった私にも響いたのは、主役2人の惹かれていく過程が丁寧で、それぞれのキャラがとても魅力的だったからなんですよね。志尊さんと岸井さんの身長バランスも良くて万琴が恋をしてからのキラキラ顔や、闇を抱えつつも万琴のことが愛おしくてたまらない浩暉の目の演技も良くて、これはキャスティングの勝利でもありますね」。インスタグラムに意味深なメッセージを投稿していた主演の2人に対しては、現実での関係性を推測する声もありました。
今春のドラマシーズンは、視聴者の評価が放送中に変化を見せる興味深い結果となりました。特に、当初は賛否両論あった作品が、最終的に多くの支持を集める展開は、ドラマ制作におけるストーリーテリングやキャスティングの重要性を改めて示唆しています。視聴者のリアルな声は、今後のドラマ制作においても貴重な指標となるでしょう。