サッカー英プレミアリーグ、リヴァプール所属のポルトガル代表フォワード、ディオゴ・ジョタ選手が3日、交通事故により28歳で死去した。この突然の悲報は、サッカー界全体に深い衝撃を与えている。
ジョタ選手は、弟のアンドレ・シウヴァさん（25歳）と共に、スペインのサモラ県を高級車ランボルギーニで移動中に衝突事故に巻き込まれた。弟のアンドレさんも、ポルトガル2部リーグのペナフィエルに所属するプロサッカー選手だった。
事故は、前の車を追い越そうとした際にタイヤが破裂し、車が道路から逸脱したことで発生したとされている。ジョタ選手は、プレシーズンのトレーニングのためにリヴァプールへ戻る途中だったとみられている。
数日前に簡易的な手術を受けていたジョタ選手は、医師から念のため航空機での移動を避けるよう勧められていたため、車とフェリーでの移動を選択したと考えられている。
ジョタ選手には長年のパートナーであるルーテ・カルドーゾさんとの間に3人の子どもがいた。ルーテさんとは、事故のわずか11日前に結婚したばかりだった。
所属クラブのリヴァプールは、ジョタ選手の死をクラブにとって「超越した悲劇」と表現した。ファンは、クラブの本拠地アンフィールドの外に集まり、追悼の意を示した。
今後、ジョタ選手と弟アンドレさんの通夜が4日午後に、葬儀が5日にポルトガルのポルトでそれぞれ執り行われる予定となっている。
リヴァプールにおいて、ジョタ選手は公式戦182試合に出場し、65ゴールを記録した。彼は2022年のFAカップとリーグカップ優勝、そして昨シーズンのプレミアリーグ優勝に大きく貢献した。
2020年にリヴァプールに移籍する以前は、ポルトガルのパソス・デ・フェレイラ、スペインのアトレティコ・マドリード、ポルトガルのポルト、そしてイングランドのウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ（ウルヴス）でプレーした。ウルヴスでは131試合に出場し、44ゴールを決めている。
ジョタ選手の最後の公式戦出場は、先月8日に行われたUEFAネーションズリーグ決勝で、ポルトガル代表としてスペインに勝利した試合だった。ポルトガル代表としては通算49試合に出場し、14ゴールを記録している。
関係者やファンからの追悼の声
アルネ・スロット新監督は、ジョタ選手について「一緒にいるだけで周囲を良い気分にさせる人物だった。家族を非常に大切にしていた」と偲んだ。
チームキャプテンのフィルジル・ファン・ダイク選手は、ジョタ選手と共にプレーし、ピッチ外でも友人であったことは「特権」だったとし、「言葉では言い表せないほど寂しい思いだ。あなたのことは決して忘れない」「あなたのレガシーは生き続ける。私たちがそれを確実にしていく」と悲しみを表した。
ポルトガル代表キャプテンのクリスティアーノ・ロナウド選手は自身のソーシャルメディアに、「信じられない気持ちだ。つい最近まで代表チームで一緒だったし、君は結婚したばかりだった」と書き込み、驚きと悲しみをにじませた。
リヴァプール所属時のFWディオゴ・ジョタ選手リヴァプールのホームスタジアムであるアンフィールドには、数千人のファンが集まり、ジョタ選手への追悼を行った。スタジアム前には、多数の花束、サッカーシャツ、旗などが捧げられた。
ランカシャー州レイランドに住む長年のリヴァプールファン、ジョン・バーロウさんは、このニュースを聞いて「本当に打ちのめされた」と語り、追悼のために仕事を中断してアンフィールドに駆けつけたと話した。
ジョタ選手は、粘り強いプレーでファンからの尊敬を集め、リヴァプールのサポーターに非常に人気があった。ピッチ外では、おおらかで社交的な人柄で知られていた。
この悲劇的な出来事は、才能ある選手であり、多くの人々に愛されたディオゴ・ジョタ選手の早すぎる死という、サッカー界にとって計り知れない損失となった。彼の貢献と人柄は、今後も多くの人々の記憶に残るだろう。
参照元
BBC News
Yahoo News Japan
