【ロンドン=黒瀬悦成】米国務省報道官は2日、中国政府が米国で「香港人権民主法」が成立したことへの報復措置として米軍艦船や航空機の香港への立ち寄りを拒否したことに関し、「香港寄港には長い実績があり、今後も続くことを期待している」と述べ、措置の撤回を求める立場を示した。
報道官は、香港人権民主法について「中国政府が香港の自治や法の支配を消滅させようとしていることに対する米国民の懸念が高まっていることを反映したものだ」と指摘した。
その上で、香港当局による抗議デモに対する「不当な実力行使」を非難するとともに、双方が暴力を自制し建設的な対話に入るよう促した。
また、中国政府が米国を拠点とする「全米民主主義基金」(NED)や「ヒューマンライツ・ウォッチ」などの非政府組織(NGO)5団体に制裁を科すと発表したことについて「(NGOを通じて)外国から内政干渉を受けたとする虚偽の告発は、香港市民の当然の懸念に対する(国内外の世論の)注意をそらす意図がある」と批判。「香港市民は、中国が香港の高度な自治を尊重するよう求めているだけだ」と訴えた。