中居正広氏とフジテレビ 第三者委が認定した「性暴力による重大な人権侵害」とは

7月6日、中居正広氏とフジテレビに関する検証番組が放送されました。昨年12月末の週刊文春報道から約半年。異例の検証の背景に何があったのか、週刊文春の記事を再公開します。(初出:「週刊文春」2025年4月10日号)

「業務の延長線上」の性暴力

「業務の延長線上」で起きた「性暴力による重大な人権侵害」。第三者委員会が認定した中居氏と編成幹部A氏の行為とは。週刊文春取材班は昨年12月1日、元フジテレビアナウンサーX子さんと初めて対面。彼女は2023年6月2日に起きた、中居氏による意に沿わない性的行為について“加害者”と呼び、目を潤ませながら語りました。

週刊文春が報じたフジテレビ問題の中心人物、中居正広氏の肖像週刊文春が報じたフジテレビ問題の中心人物、中居正広氏の肖像

業界構造と被害者の訴え

X子さんは自身の経験から業界の変化の必要性を訴え。番組側・キャスティング側に拒否権がなく、「行くしかない」状況、そして加害者や編成幹部A氏を目にするたびのフラッシュバックを語りました。「自分みたいな人間が増えないためにも……やっぱり業界が変わっていかないと。向こうは番組を作る側、キャスティングする側だから私たちに拒否権はないじゃないですか。(タレントへの接待に)行くしかないみたいな感じで。それが許される社会になっちゃったらいけないよな、って」

第三者委員会の調査報告

最初の取材から約4カ月を経て、フジテレビの第三者委員会は約2カ月の調査に基づき報告書を発表。「両者の権力格差、CX(フジテレビ)におけるタレントと社員との会食をめぐる業務実態などから、本事案は、CXの「業務の延長線上」における性暴力であったと認められる」と認定。これは、単なる個人の問題ではなく、フジテレビの業務環境下で起きた重大な人権侵害と結論付けたものです。

第三者委員会の報告は、中居氏と元フジテレビアナウンサー間の性的行為が、テレビ業界特有の権力構造や業務慣行に起因する「業務の延長線上」の性暴力・重大な人権侵害であったと認定。この認定は、今後のテレビ業界におけるタレントと社員の関係性、および会食などの慣行に見直しを迫るものと言えるでしょう。

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