高齢者狙うフェイク動画、ビートたけし氏も被害経験を告白

ビートたけし氏(78)が6日放送のテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」に出演し、高齢者向けフェイク動画の氾濫について言及した。自身も悪質な動画を目にし、その手口に思わず苦笑いを漏らす一幕があった。この問題は、特に高齢者をターゲットにした詐欺的な情報がネット動画で拡散される深刻な実態を示している。

テレビ番組で高齢者向けフェイク動画について話すビートたけし氏テレビ番組で高齢者向けフェイク動画について話すビートたけし氏

高齢者を狙う悪質フェイク動画の実態

番組では、特に高齢者の不安を煽るネット動画の横行を取り上げた。具体的な事例として、ゆうちょ銀行農協に口座を持つ65歳以上の人々を標的としたフェイク動画が紹介された。この動画では、「7月から口座制度が変わる」と偽り、「本人確認が完了していないという理由だけで口座が凍結される可能性がある」という嘘の情報が男性の声で読み上げられていた。これは、高齢者銀行口座に対する不安を煽り、不正な情報に誘導することを目的とした悪質な手法である。

ビートたけし氏の驚きの告白

この事例に対し、たけし氏は「あれ、フェイクだったんだ」と驚きを隠さなかった。自身もこのフェイク動画を見た経験があると告白し、「俺、貯金とか一切してないから、見て笑ってたんだ。大変だなと思って」と、当初はそれがだと見抜けなかったことを明かした。共演者から「見てたんですか!? 実際に」と驚かれると、「うん。結構信用してた。大変だなって」と、その手口の巧妙さを認めた。動画が「回ってきたんですか?」との問いには「全然分かんなかった」としつつも、「結構やってんだよ、こういうの」と頻繁に目にしている実情を語り、悪質動画氾濫に警鐘を鳴らした。

動画氾濫の背景と専門家の指摘

これらのフェイク動画は、主に再生回数を増やして広告収入を得ることを目的としている。視聴者の不安や関心を引きつけ、再生を繰り返させることで収益を上げようというビジネスモデルに基づいている。番組に出演していた東国原英夫氏は、「そうなんです。65歳以上は完全にターゲットになってます」と補足し、改めて高齢者がこうした情報弱者を狙った詐欺やデマの格好の標的となっている状況を強調した。

まとめ:社会全体で警戒すべき問題

著名人であるビートたけし氏でさえ見破るのが困難だった今回の事例は、高齢者向けフェイク動画の深刻さを改めて浮き彫りにした。巧みな言葉遣いや権威を装った演出で嘘の情報を流布する手口は進化しており、誰もが騙される可能性がある。社会全体の課題として、こうした詐欺的な手法への警戒を強化し、正確な情報を見極めるリテラシーの向上が求められている。

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