【台風19号】丸森の企業と閖上酒店がコラボ酒を販売開始 丸森産米を使った「ライスワイン」





発表会でルーチェをPRするGM7の斉藤良太社長(右)と佐々木酒造店の佐々木洋専務=3日、仙台市青葉区(塔野岡剛撮影)
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 台風19号で甚大な被害を受けた宮城県丸森町の企業と、東日本大震災で700人以上が犠牲になった同県名取市閖上(ゆりあげ)地区の酒蔵が丸森産の米を使って共同開発したライスワイン「LUCE(ルーチェ)」が3日、販売開始された。災害に見舞われた両者の「希望の光」となることが期待されている。

 ライスワインは白ワインの風味を思わせる日本酒。昨年8月に丸森町に本社を置き、町のブランド米「いざ初陣」の生産、販売などを手がける「GM7」が、閖上で約140年の歴史を誇る「佐々木酒造店」に提案し開発した。  

 この日行われた発表会でGM7の斉藤良太社長(37)は「被災した地域を勇気づけたい」と語った。台風19号により、いざ初陣などを管理していた同町金山地区の倉庫は約1・2メートル浸水し、今期収穫したいざ初陣約1トンが水没した。今回の製品化では昨年収穫したものを使っているという。

 斉藤社長によると「災害からの復興を成し遂げる希望の光となる」という共通した旗印のもと、イタリア語で光を表すルーチェと名付けられた。販売するのは2千本で、仙台市内の百貨店などで購入できる。

 佐々木酒造店は10月1日に閖上地区に新しい酒蔵をオープンさせたばかりで、佐々木洋専務(43)は「いざ初陣の風味を生かした今までになかった味わい。技術的にも新しい酒蔵だからこそ作ることができた」と話し、「ルーチェが地元を照らす光となり、地域の良さを改めて知って復興を進めていきたい」と話した。

 発表会では一般の参加者にもルーチェが振る舞われた。試飲した鈴木絢子さん(31)は「飲みやすくておいしい。和食や県産の海産物と一緒に楽しみたい」と笑顔だった。



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