麻辣湯チェーン『楊國福』の厨房動画がSNSで炎上、衛生問題と特定された名古屋店舗の真相

麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影されたとされる動画が、SNS上で大きな波紋を呼んでいる。「まさかスープに入れてないよね、、、」といった懸念の声とともに拡散されているのは、飲食店の厨房らしき場所を捉えた映像だ。暖簾越しに映る厨房では、従業員と思われる人物が床に置かれた牛骨のようなものを包丁で叩いている。暖簾には「YANGGUOFU 楊國福」の店名とロゴマークが確認できる。牛骨を叩き割る衝撃音まで収められたこの動画に対し、「衛生観念やばすぎ」「やばい絶対入れてるやん」など、衛生管理への疑念からコメントが殺到している状況だ。

飲食チェーン事情に詳しいライターは、この『楊國福』について解説する。上海に本社を置き、中国本土で事業を拡大した後、日本にも進出し、特に若い女性からの人気が高いという。行列を見かけることも少なくない存在だ。その『楊國福』を巡り、7月上旬に投稿された動画が拡散し、冒頭の物議を醸しているのである。

飲食店における衛生管理の問題は、近年、SNSを起点にたびたび表面化し、話題となっている。記憶に新しいところでは、牛丼チェーン「すき家」で今年発生した、みそ汁へのネズミの死骸混入とその後の公表遅延を巡る騒動がある。また、焼肉食べ放題を売りにする「焼肉きんぐ」では、泥酔客が店から提供されたゴミ袋をテーブルに広げ、嘔吐を続けたケースが問題視されたこともあった。前出のライターは、これらの事例はいずれも店側の対応に問題があった側面が大きいと指摘する。今回の『楊國福』の件も、動画で床に牛骨を叩きつけている行為が、もしかすると廃棄作業だった可能性も考えられるとしながらも、廃棄物であれ飲食スペースから客に見える場所で行ったこと自体に落ち度があるかもしれないと見解を述べている。

NEWSポストセブンが独自に取材を進めた結果、件の動画が撮影された『楊國福』の店舗は、中国本社と直接フランチャイズ契約を結んでいる名古屋市内の店舗であることが判明した。これは、日本国内で多くの『楊國福』店舗を展開している別の運営母体とは異なる形態だという。動画の現場となった名古屋市内の店舗オーナーに電話取材を試みたところ、憔悴しきった様子で対応に応じたとのことである。

結論

今回の『楊國福』の件は、SNS時代における飲食店の衛生管理とその可視性の問題、そしてフランチャイズ運営形態の複雑さを示唆している。特定の店舗で起きた動画がチェーン全体のイメージに影響を与えかねない現代において、適切な衛生基準の遵守と、予期せぬ状況への対応策が改めて問われる事例と言えるだろう。

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