【AFP=時事】ドナルド・トランプ氏の支持基盤である米国を再び偉大に(MAGA)運動の支持層は、悪名高い性犯罪者で勾留中に死亡したジェフリー・エプスタイン元被告に関する陰謀論を、トランプ政権が事実上封じ込めたことに憤慨している。
トランプ政権の司法省と連邦捜査局(FBI)は6日に公開されたメモの中で、エプスタイン元被告が「顧客リスト」を保有していたり、著名人を脅迫していたりした証拠はないと述べた。
また、エプスタイン元被告が勾留中に殺害されたとの陰謀論も否定し、死因は自殺だと確認した上で、捜査に関するこれ以上の情報は公表しないと述べた。
右派関係者が主張してきたエプスタイン元被告に関する陰謀論を、トランプ政権の当局者が公式に否定したのは、今回が初めてだった。
これを受け、「ディープステート」が民主党とハリウッドにおけるエプスタイン元被告の最も有力な仲間たちを守っていると信じてきたMAGA運動は直ちに猛反発。
トランプ氏を支持する陰謀論者のアレックス・ジョーンズ氏は激怒し、「次は司法省が『実はジェフリー・エプスタインは存在すらしていなかった』と言うだろう」「これは吐き気がするなんてものじゃない」とX(旧ツイッター)に投稿した。
だが、トランプ氏自身が直接批判されることはほとんどなく、MAGAの怒りの矛先はFBIのカシュ・パテル長官とダン・ボンジーノ副長官に向けられている。
そして、最も激しい怒りを向けられているのがパム・ボンディ司法長官だ。ボンディ氏はFOXニュースに対し、エプスタイン元被告の顧客リストをデスクに保管しており、真実を明らかにすると明言していた。この発言はホワイトハウスも支持している。
ボンディ氏はホワイトハウスで、インフルエンサーたちに「エプスタイン・ファイル」と題されたバインダーを配布したが、内容は既に公表済みの情報がほとんどで、新たな情報は一切含まれていなかったため、MAGAとは既に一触即発の状態にあった。