2000年代、『エンタの神様』(日本テレビ系列)で一世を風靡した”ギター侍”ことお笑い芸人の波田陽区氏(50歳)が、自身のブレイクとその後の活動、そしてネット上で囁かれるある噂の真相について語った。着流し姿でギターを抱え、有名人を「残念!」と一刀両断するネタで人気絶頂期を過ごした波田氏だが、ブーム沈静化後はテレビでの露出が激減。2016年には家族と福岡へ移住し、現在は九州地方を中心にテレビレポーターや営業として活動している。一時は月収2000万円を超えたという「人生確変」の時期、そして「ビートたけし氏を激怒させて芸能界から干された」というインターネット上の憶測について、本人が初めて詳細に言及した。
ギターを抱え、「ギター侍」姿でポーズをとる波田陽区氏
ブレイク期の多忙と「一生安泰」への葛藤
波田氏は2004年に『エンタの神様』への出演を機に大ブレイクを果たした。当時の日々について、「毎日テレビ収録が4〜5本あり、書籍やDVD、着ボイス用の録音や執筆などもあって、早朝から深夜まで働き詰めだった」と振り返る。共演者約5人を斬るネタを毎日番組ごとに考案する必要があり、一晩に20本もの新作ネタを生み出すため、テレビ局に隣接するホテルに宿泊し、わずかな仮眠で仕事をこなすという過酷な生活を送っていたという。給料明細には驚くべき金額が並び、月収2000万円を超えた時期もあったと明かす。しかし、波田氏自身は前年にブレイクした他の芸人たちがテレビで見かけなくなる様子を見て、「自分も同じ道をたどるかもしれない」という予感も抱いていたという。目の前の莫大な収入に、その不安から目を背けていたのが実情だったと語る。
「干された」噂を否定、ネットのデマに苦言
波田氏の人気は2005年後半には潮が引くように落ち着きを見せた。その原因について、インターネット上では「2005年に『たけしの誰でもピカソ』(テレビ東京系)に出演した際、ビートたけし氏を激怒させたことで芸能界から干された」という噂が根強く囁かれている。これに対し、波田氏は「完全にデマです!」と強く否定した。問題視されたのは、番組内でたけし氏の娘をネタにした際に、たけし氏が椅子を振り上げて波田氏に向かっていくように見えたシーンが放送されたことだという。しかし、波田氏はこの件について、「本当に激怒していたなら、そもそもあのシーンは放送されないはずです」と指摘。実際にはその後もたけし氏とは共演し、楽しく会話していると明かした。こうしたネット上の根拠のない噂が一人歩きし続ける現状に、「今、うちの子が高校生で、ネットを見た同級生に『お前の父ちゃん、ビートたけしに干されたらしいな』ってイジられたりするかもと考えると悲しくなる」と胸中を吐露した。改めて「干されたわけではない」と強調し、仕事が減った理由については「波田の仕事がなくなったのは、実力がないだけ」だと述べ、これが真実であると断言した。
福岡移住後の新たな活動
ブレイクから数年後、波田氏は2016年に家族と共に福岡県へ移住した。現在は、九州地方を活動拠点とし、テレビ番組のレポーターや企業のイベントなどで営業活動を続けている。かつての全国的なブームとは異なるものの、地域に根ざした活動を展開し、新たな芸人人生を歩んでいる。ネット上のデマに悩まされながらも、自身の言葉で真相を語り、着実に活動を続ける波田陽区氏の今後が注目される。