ルイ・ヴィトンのパリ本社で17年間PRトップを務め、「もっともパリジェンヌな日本人」と称される藤原淳氏。彼女は著書『パリジェンヌはダイエットがお嫌い』の中で、パリでの経験に基づいた「最高の自分になるための神習慣」を提案しています。かつて「痩せればすべてが解決する」と信じていた藤原氏ですが、多くのパリジェンヌとの出会いを通じて、その考えが根本的に誤っていたことに気づきます。パリジェンヌが実践するのは、自分自身と向き合い、心身のバランスを整える習慣。これこそが、年齢を重ねても魅力的であり続ける秘訣なのです。本記事では、多忙な現代人が陥りがちな午後の間食習慣に焦点を当て、パリジェンヌ流の健康的で賢いおやつの選び方とその理由を深掘りします。
フランスでは「大人のおやつ」は非常識?午後の間食文化
意外に思われるかもしれませんが、フランスでは子どもがおやつを食べるのは一般的でも、大人が午後の時間に積極的に甘いものを口にすることは稀です。大人の場合、コーヒーや紅茶、あるいは最近ではラテを飲んで一息つく程度が習慣となっています。しかし、私たち日本人の中には、分かっていてもつい午後に何かちょこちょこ食べたくなってしまう、甘いものに手が伸びてしまうという方も少なくないでしょう。このような習性は、長年の習慣として根強く残っているかもしれません。
パリジェンヌが実践する「究極の健康おやつ」3選
午後の空腹感や口寂しさをヘルシーに満たすために、パリジェンヌがバッグに忍ばせている「三種の神器」があります。これらは、単に空腹を満たすだけでなく、体に必要な栄養素を補給し、心身のバランスを整える役割も果たします。
パリジェンヌが実践する健康的な午後のおやつとして、新鮮なリンゴ、様々な種類のナッツ、そしてハイカカオチョコレートがバランスよく並べられた様子。
1. 丸かじりしたい「りんご」の魔法
パリジェンヌは、りんごを丸かじりすることがよくあります。選ぶべきは無農薬のものです。りんごは糖分が少ないだけでなく、水溶性食物繊維であるペクチンが非常に豊富に含まれています。このペクチンは、胃酸のバランスを整える効果が期待でき、消化器系の健康をサポートします。さらに、血中のコレステロール値を下げ、体内の有害物質を排出するデトックス作用も持ち合わせています。体を冷やしたくない方には、アツアツの焼きりんごが特におすすめです。りんごの芯をくりぬき、そこに少量のバター、お好みで蜂蜜やシナモンを加えます。これを180度に温めたオーブン、またはオーブントースターで30分焼けば、心も体も温まる、優雅な午後のおやつが完成します。
2. 賢く選ぶ「ナッツ」で満腹感を
パリジェンヌはアーモンド、ヘーゼルナッツ、くるみといったナッツ類が大好きです。これらのナッツには、ビタミンE、カリウム、葉酸、マグネシウム、亜鉛など、現代人に不足しがちなミネラルが豊富に含まれています。歯応えがあり、どうしても何かを口にしたい時に最適で、大人のヘルシーなおやつとして非常に優秀です。ただし、ナッツは高脂肪の食べ物であるため、摂取量には注意が必要です。腹持ちが良く、少量でも満腹感を感じやすいため、1日に10粒程度を目安にするのが良いでしょう。また、必ず塩気のないもの、そして砂糖でコーティングされていないフレッシュなものを選ぶことが重要です。
3. 高抗酸化作用の「ハイカカオチョコレート」
カカオ含有量が70%以上のチョコレートは、パリジェンヌの賢いおやつの一つです。一般的に市販されているチョコレートのカカオ含有量は30〜40%程度ですが、ハイカカオチョコレートには主原料であるカカオ豆に豊富に含まれるポリフェノールが凝縮されており、高い抗酸化作用が期待できます。これは、老化の原因となる活性酸素から体を守る効果があると言われています。さらに、テオブロミンという成分も含まれており、自律神経を整える働きや、脳を適度に刺激する効果も期待されます。おやつとして食べる目安は、板チョコで2かけ程度。できる限り無添加で、乳脂肪や植物油脂を使用していないもの、そして砂糖の量が極力控えられたものを選ぶと、より健康的です。
食後のデザートとしてスイーツを楽しむ一方で、午後の間食はこれら「三種の神器」で済ませる。これこそが、パリジェンヌが実践する、健康的で豊かな食習慣の常識なのです。
まとめ:健康的で魅力的な自分を育むパリジェンヌの智慧
パリジェンヌの食習慣は、単にダイエットのためではなく、心身の健康と調和を追求する生き方そのものを反映しています。午後の間食を賢く選ぶことは、無意識に摂取してしまう不要な糖質や脂肪を減らし、体に良い栄養素を取り入れる絶好の機会です。りんご、ナッツ、ハイカカオチョコレートというシンプルな選択肢には、体を内側から美しく保つための深い智慧が隠されています。これらを日々の習慣に取り入れることで、過度なダイエットに縛られることなく、自分らしい美しさと自信を手に入れることができるでしょう。パリジェンヌのように、自身の体と心に耳を傾け、バランスの取れた食生活を通じて、いつまでも魅力的に輝き続けてください。
参考文献
- 藤原 淳 著『パリジェンヌはダイエットがお嫌い』より抜粋・編集