群馬県の山本一太知事は10日、自民党の鶴保庸介参院予算委員長が参院選応援演説で「運のいいことに能登で地震があった」と発言したことについて、定例会見で強く批判した。山本知事は鶴保氏の発言を「アウト!」と連発し、夏の参院選への影響や、県内で発生した入札妨害事件にも言及しながら自民党への厳しい見方を示した。
鶴保氏の「能登地震発言」への激しい批判
山本知事はまず、能登半島地震の犠牲者や被災地の現状に多くの日本人が胸を痛めていることに触れ、「どう考えても、あの表現は出てこない」と鶴保氏の発言を断罪した。さらに、発言後の鶴保氏の謝罪会見についても、「ふてくされているように見える」「発言の重みがわかっていない」と厳しく指摘し、「アウト」という言葉を繰り返して非難の姿勢を明確にした。
参院選への影響と候補者の怒り
鶴保氏の不適切発言が参院選に与える影響について、山本知事は勝敗のカギを握る「1人区で必死に戦っている候補は全員、激怒していると思う」との認識を示した。発言の「アウト」が具体的に何を意味するのか問われると、「それは鶴保さんご自身が決めること」としつつも、「ただ党としてきちんと対応しないと、大変なことになる」と述べ、党の対応の重要性を強調した。
群馬県庁で鶴保参院予算委員長の発言を強く批判する山本一太知事
桐生市役所新庁舎建設工事を巡る入札妨害事件
一方、群馬県の桐生市役所新庁舎建設工事を巡る入札妨害事件では、さいたま地検が9日、群馬県議の相沢崇文容疑者(49)ら3人を公競売入札妨害の罪で起訴した。山本知事はこの事件を「改めて重く受け止める」とし、「何度も言ってきたが、県民はこの事件に心底怒っている」と、県民感情の深刻さを語った。
事件の参院選への影響と自民党への注文
この事件も参院選に深刻な影響を与えるとみており、「頑張っている自民党候補には気の毒だが、人は言葉だけでは信用しない。行動で示さないと有権者の不信感はぬぐえない」と述べ、自民党県連などに具体的な行動で信頼回復を図るよう訴えた。
知事自身の政治献金問題
さらに、山本知事は、同事件で幹部や役員が起訴された「関東建設工業」と「グンエイ」(ともに群馬県太田市)の両社長から、令和4年から6年の3年間にわたり、政治献金60万円とグンエイからのパーティー券代26万円、計86万円を受け取っていたことを公表した。これらの政治資金については返還する方針を明らかにした。
自身の政治資金管理団体の収支報告書で判明したとして、「違法性は一切ないが、道義的観点から返還することが適切と判断した」と説明した。
参照元
https://news.yahoo.co.jp/articles/70aa2ceb961d71904e48d545c125413408a3b998