参院選 中盤情勢、自公なお苦戦 非改選含め過半数維持に壁

毎日新聞は12、13両日、第27回参院選(20日投開票)の特別世論調査を行い、取材情報を加味して中盤の情勢を探った。自民、公明両党は、非改選議席を含めた参院の過半数(125議席)を維持するために必要な50議席の確保に引き続き苦戦しており、一部の選挙区では苦戦の度合いが増している。選挙戦の序盤情勢を探った5、6両日の取材時と比較すると、全国に32ある改選数1の「1人区」で接戦となっている選挙区が7から8に増加した。さらに、野党系候補が優位に立つ選挙区も16から18に増えており、自民党にとって厳しい状況が続いている。自民、公明両党の推定獲得議席は合わせて31~55議席となっている。

今回の調査では、選挙区で4割弱、比例代表で3割の有権者が「投票先を決めていない」と回答しており、投開票日までに情勢が変化する可能性がある。

参議院選挙の選挙活動中、候補者の街頭演説を聞く有権者たち参議院選挙の選挙活動中、候補者の街頭演説を聞く有権者たち

自民党の推定獲得議席は、選挙戦序盤の調査時の32~46議席から27~43議席に減少した。1人区で優位に選挙戦を進めているのは、福井、岐阜、奈良、鳥取・島根、山口、長崎の6選挙区にとどまっている。序盤情勢と比較すると、群馬、石川、滋賀の3選挙区が自民党優勢から接戦へと転じた。改選数2以上の「複数区」は全国に13あるが、そのうち10選挙区でそれぞれ1議席を確保する見込みだ。京都、大阪、兵庫の各選挙区は激戦となっており、北海道と東京の複数区では2議席目を巡る激しい競り合いが続いている。比例代表では11~14議席を獲得する見通しとなっている。

公明党の推定獲得議席は4~12議席。党が候補者を擁立した7選挙区のうち、議席確保のめどが立っているのは序盤情勢から引き続き東京選挙区のみで、残る6選挙区では激戦が続いている。

野党系候補は1人区のうち16選挙区で優勢を保っている。序盤情勢と比べ、富山と山梨の両選挙区が接戦から野党系優勢へと転じた。

立憲民主党は堅調さを維持している。推定獲得議席は23~32議席で、改選前の22議席を上回るのは確実な情勢だ。複数区では、序盤に引き続き北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、広島、福岡の各選挙区で1議席獲得を見込んでいる。東京選挙区では2議席目を巡って激しい戦いが続いている。

日本維新の会は伸び悩みが続いている。目標とする「6議席以上」に対し、推定獲得議席は5~7議席となっている。序盤情勢から引き続き、京都と大阪の両選挙区では1議席の獲得が有力視されているが、大阪選挙区では2議席目を巡る激戦となっている。

共産党の推定獲得議席は3~5議席。東京選挙区で1議席を維持する見通しで、京都選挙区では接戦に持ち込んでいる。

国民民主党は勢いを維持している。推定獲得議席は11~19議席で、改選前の4議席から大きく増やすことを視野に入れている。静岡、愛知、香川の各選挙区に加え、新たに千葉など3選挙区でも議席獲得を見込んでいる。東京や福岡など7選挙区では激しく競り合っている。

れいわ新選組は比例代表で3~4議席を獲得する見込みだ。参政党は勢いを維持しており、推定獲得議席は8~17議席。茨城と東京の各選挙区では議席獲得が有力な情勢で、愛知や福岡など8選挙区では激しく競り合っている。社民党は比例代表で議席を獲得する可能性がある。日本保守党は比例代表で2~3議席を確保する見込みとなっている。

今回の参院選は、改選される124議席(選挙区74、比例代表50)に、東京選挙区の非改選議席の欠員補充1議席を加えた計125議席が争われている。

調査方法

毎日新聞とTBSテレビ/JNNは12、13の両日、スマートフォンを対象としたインターネット調査「dサーベイ」で特別世論調査を実施した。dサーベイは社会調査研究センターがNTTドコモの協力を得て開発した手法。ドコモが運営するdポイントクラブの会員を対象としたアンケートサービスを利用し、全国約7400万人(18歳以上)の母集団から調査対象者を無作為に抽出した。調査への協力を依頼するメールを配信し、8万980人から有効回答を得た。