【主張】香港人権法に報復 中国の無反省にあきれる

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 国際社会が懸念を深める香港情勢の緊迫化について、中国が全く反省していないことの証左であろう。米国で「香港人権民主法」が成立したことに対し、中国が報復措置を発表した。

 中国は、米軍の艦船や航空機が香港に立ち寄るのを拒否する。また、内容は不明ながら、「香港のデモを支援した」として米国の非政府組織(NGO)にも制裁を科すと明らかにした。

 香港では6月以降、「逃亡犯条例」改正案を端緒に、市民が高度自治を求め、大規模な抗議行動を続けている。中国が香港の「一国二制度」を破壊しつつあることが、大規模デモの根本原因にほかならない。

 米国の香港人権民主法は、中国の意を受けた香港の当局が、暴力的にデモを鎮圧している由々しき事態を受けた当然の措置だ。法案は米上下両院をほぼ全会一致で通過し、トランプ米大統領が先月下旬に署名して成立した。

 米国は一国二制度の下で約束された高度自治の実態を検証し、結果を議会に報告する。違反があれば、香港に与えられた関税やビザ(査証)に関する優遇措置を見直す。香港を貿易拠点としてきた中国の経済活動には打撃となる。

 中国は香港人権民主法について、「中国の内政に深刻に干渉している」などと強く反発して報復措置を打ち出した。

 だが、香港の一国二制度は、1984年の中英共同宣言に基づく国際公約だ。基本的人権にかかわる問題でもあり、中国が即刻、非を改めるのが筋である。中国をめぐっては、新疆ウイグル自治区における苛烈な弾圧と人権侵害の実態も明らかになっている。

 折しも米ソの東西冷戦終結から30年の節目である。自由・民主主義を尊重する日米などと、強権を振りかざす中露が対峙(たいじ)する「新冷戦」の最前線が香港であり、さらには台湾である。

 香港弾圧を許せば、中国はさらに増長し、台湾への圧力や南シナ海の軍事拠点化をいっそう強めよう。香港人権民主法を成立させた米国には、こうした強い危機感があると考えるべきだ。

 この度の中国の報復措置は米国に大きな打撃を与えるものではなさそうだ。これは中国が手詰まりに陥りつつあることを示す。中国の弾圧を止めるべく、日本も強い態度を打ち出す時である。

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