山口県内で失踪し、北朝鮮による拉致の可能性が否定できない「特定失踪者」の家族でつくる山口県特定失踪者家族会は4日、県の人権意識調査に拉致問題の項目が含まれなかったのは不服で、今後の活動が存続できないとして、10日に解散すると明らかにした。
家族会は、県が実施する人権意識の調査に拉致問題を盛り込むよう求めてきたと主張しているが、今年7月の調査では設問はなかった。家族会代表で特定失踪者問題調査会が「拉致濃厚」とする山口県下関市の河田君江さん=失踪当時(23)=の母、奈津江さんは取材に「県の対応は不誠実で、これ以上活動をしても仕方がない」と話した。
家族会は平成26年に発足。県人権対策室の担当者は「拉致についての項目を意図的に入れなかったわけではない。拉致問題は人権問題として十分に認識している」とコメントした。