参議院選挙の選挙戦が終盤を迎える中、東京選挙区の情勢は風雲急を告げています。定数6に欠員補充1を加えた合計7つの議席を、全国最多となる32人が争う超激戦区となっており、すべての国政政党が候補者を擁立。特に、自民党、立憲民主党、国民民主党はそれぞれ2人の候補者を立て、激しい攻防を繰り広げています。
各社の情勢調査では、候補者の順位が目まぐるしく入れ替わる混戦状態です。報道各社や各陣営への取材を総合すると、参政党新人のさや氏(43)と自民党新人の鈴木大地氏(58)が一歩リードし、日本共産党現職の吉良佳子氏(42)、公明党新人の川村雄大氏(41)もやや優勢と見られています。しかし、5番手以降はきわめて予測が難しい混戦模様が続いています。現職2人を擁する立憲民主党、新人2人が挑む国民民主党はそれぞれ、「ダブル当選の可能性もあれば、共倒れもあり得る状況」(陣営関係者)と危機感を募らせ、支持層への引き締めを図っています。
参院選東京選挙区の選挙戦終盤、立憲民主党の塩村文夏氏(左)と自民党の武見敬三氏(右)の様子。
立憲民主党・塩村文夏氏の危機感と党内からの戦略的投票呼びかけ
特に強い危機感を募らせているのが、立憲民主党現職の塩村文夏氏(47)です。高い知名度から選挙序盤は優位が伝えられ、支持者の間では楽観的な見方が広がっていました。しかし、同党のもう一人の候補者である現職の奥村政佳氏(47)への票集めを促す呼びかけが党内から出たことで、状況は一変します。立憲民主党の五十嵐衣里衆議院議員がSNS「X」に、「立憲2議席確保に向けてあと一歩のおっくん(奥村氏)に戦略的投票を!」と投稿。これに小西洋之参院議員も、「自民に二議席を渡さないため、立憲のおくむらまさよしに投票をお願いします!」と引用する形で賛同しました(両投稿はいずれも後に削除)。
これに対し、塩村氏は現在の情勢報道を根拠に、「さすがにそれは失礼過ぎる」「小西さんがおすすめする方法ですと、私は落選してしまいますよね」と反発の声を上げました。実際、塩村氏は序盤情勢調査では2番手につけるものもあったものの、15日に発表された朝日新聞の調査では5番手、日経新聞では7番手(いずれも名前先順)と報じられ、予断を許さない厳しい戦いが続いています。
「どんな結果でも受け入れる」塩村氏の覚悟
15日、街頭演説を終えた塩村氏に取材をすると、「(小西氏らの投稿には)かなりびっくりしたというか、ショックはありました。おのおのが頑張るしかないから、精いっぱいやって、どんな結果でも受け入れます」と胸の内を明かしました。
結び
参院選東京選挙区は、選挙戦終盤に入りさらに混迷の度を深めています。各候補者が最後の訴えを続ける中、特に立憲民主党の塩村氏のように、党内の動きさえも自身の戦いに影響を与えるという複雑な状況が浮き彫りになっています。最終的な議席の行方は、投開票日まで目が離せない展開となるでしょう。
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