新婚さんいらっしゃい!900km離れた「別居婚カップル」の絆と愛の形:京都・和束町と宮城・気仙沼市を結ぶ物語

日本の長寿番組『新婚さんいらっしゃい!』(ABCテレビ)は、2025年7月20日の放送回で、900kmの遠距離を隔てて暮らす一組の「別居婚カップル」に焦点を当てます。この異例の夫婦は、夫が京都、妻が宮城にそれぞれ生活拠点を持ち、月に一度の再会を喜びとしながら、独自の絆を育んでいます。彼らの出会いから結婚、そして別居婚に至るまでの波乱に満ちた道のりを通じて、現代における多様な夫婦の愛の形が明らかになります。

新婚さんいらっしゃい!に出演する京都と宮城の別居婚カップル、スタジオでの笑顔新婚さんいらっしゃい!に出演する京都と宮城の別居婚カップル、スタジオでの笑顔

900kmを隔てる生活拠点:京都と宮城、それぞれの日常

夫は宇治茶の産地として知られる京都府和束町に住み、2025年2月に移住しました。現在はお茶農家でアルバイトをしながら、職場の仲間たちと7人でのシェアハウス生活を送っています。一方、妻が暮らすのは和束町から車と飛行機で6時間かかる、宮城県の最北端に位置する気仙沼市です。妻は街づくり関連の仕事に携わり、祖母から受け継いだ一軒家で女性4人とのルームシェアを選びました。地理的に大きく離れているため、二人が直接会えるのは月に一度のみ。収録前日、久しぶりに再会を果たした二人の間には、喜びが隠しきれない様子が見られました。

自転車旅が繋いだ運命の出会いと、試練の始まり

二人の出会いのきっかけは、夫の「自転車日本一周の旅」でした。兵庫県姫路市出身の夫は、大学院まで進んだものの人生に迷い、休学して日本一周を目指します。その旅の途中で気仙沼のゲストハウスオーナーと出会い、その生き様に感銘を受けた夫は、日本一周を中断し大学院を退学して気仙沼へ移住することを決意します。移住から5カ月後、夫は自らのゲストハウスをオープン。その完成パーティーに参加したのが妻でした。二人は以前から顔見知りではありましたが、この日が初めてしっかりと言葉を交わす機会となり、夫に好意を抱いていた妻は、パーティーをきっかけに彼をさらに意識するようになります。一週間後、妻から夫への告白により、二人の交際がスタートしました。

しかし、交際からわずか2カ月後のクリスマス、夫は妻に別れを告げます。ゲストハウス開業の多忙さから精神的に疲弊し、会いたがる妻に時間を割けないことに心苦しさを感じたためでした。それでも夫を深く愛していた妻は諦めません。新車での車中泊や北海道旅行に夫を誘い、快諾を得ます。恋人のように楽しい時間を過ごした一方で、妻は自分が「都合のいい女」になっているという複雑な自覚も抱いていました。

「結婚」という転機と、苦渋の別居婚選択

微妙な関係が数ヶ月続くなか、夫は再び「このままの仕事でいいのだろうか」と人生に迷い始めます。心身ともにダウンしていた夫に対し、妻は思いがけない「結婚してみない?」という提案を投げかけました。夫は「結婚ならありかもしれない」と考え、2024年3月に二人は結婚に至ります。

結婚後、約1年間は夫婦一緒に暮らしましたが、夫は新たなゲストハウス設立のため、縁があった和束町への移住を決意します。あまりにも急な夫の決断に、妻はすぐにはついていけないと感じたものの、迷い始めると動けなくなる夫の性格を気遣い、先に和束町へ行くよう促し、二人の別居婚がスタートすることになりました。

距離を超える「交換ノート」:愛を育む日々の記録

900kmという距離を埋めるため、二人が頼りにしているのが「交換ノート」です。郵送でやり取りされるこのノートには、思いのままに日々の出来事や感情が綴られています。夫は「ついつい長文になってしまう」と語りますが、妻は「私を想ってこんなに書いてくれるのがすごく嬉しい」と、その愛情を深く感じ取っています。夫からのメッセージは、いつも「大好きやで~!!」という温かい言葉で締めくくられていると語ります。

互いの愛溢れる交換ノートを振り返り、夫は「妻を迎え入れる体制を整えたら一緒に住みたい」と将来の同居への希望を語ります。番組のラストでは、スタジオに登場した母親が息子夫婦に「痛烈な愛のムチ」を加える場面も。遠距離ながらも強い絆で結ばれたこのカップルの物語は、2025年7月20日(日)昼12時55分より放送されます。


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