「長くつ下のピッピ」などの作品で知られるスウェーデンの児童文学作家、アストリッド・リンドグレーンの若かりし頃を描いた作品。経済的にも精神的にも、人生の中で最も苦しかった時期と重なる。
田舎のしきたりや保守的な倫理観に息苦しさを感じていたある日、文才を見込まれ地方新聞社で働き始めた。妻子ある編集長に好意を寄せ、19歳で未婚の母に。隣国でひそかに出産し、息子を里親に預けたが…。
当時の社会規範を軽々と打ち破ってしまう自由闊達(かったつ)な少女から、人生の機微を知る大人の女性へとたくましく成長していく姿が感動的だ。
7日から東京・岩波ホール、27日から大阪・シネ・リーブル梅田などで全国順次公開。2時間3分。(啓)
★★★☆(★5傑作 4見応え十分 3楽しめる 2惜しい 1がっかり ☆は半分)