「誰も手を挙げない情けない状況」橋下徹氏が石破おろしに一刀両断

自民党内で石破茂首相の退陣を求める「石破おろし」の動きが強まる中、CBC・TBS系の情報番組「ゴゴスマ」は2025年7月24日の放送で、この政界の動向とその見通しを深く掘り下げました。番組のコメンテーターを務める元大阪府知事の橋下徹氏は、この状況に対し「情けないのは、『じゃあ、俺がやる』と誰も手を挙げないことだ」と、日本の政治におけるリーダーシップの不在を一刀両断しました。

石破茂首相、自民党内の「石破おろし」が議論される政治状況で石破茂首相、自民党内の「石破おろし」が議論される政治状況で

橋下徹氏が指摘する「エース級」の不在

小泉農水相、高市元政調会長、小林鷹之元経済安保相、さらには自民党青年部や旧安倍派の若手議員らが「石破やめろ」と公然と批判の声を上げる一方で、橋下氏は彼らの姿勢に疑問を呈します。「そこまで言うなら、中堅・若手に『ここで俺がやるんだ』と言ってほしいですよ。でも、石破さんが下りるまで、みんなじっと待っているわけです。(前回の)総裁選に出たようなエース級の人もね」と、皮肉を込めて指摘しました。この発言は、批判はするものの、自らがリスクを負って前に出る者がいない現状への痛烈な批判です。

リスクを恐れる政治家像と「ファーストペンギン」の必要性

橋下氏は、多くの政治家が「俺が出るといって負けたら、冷や飯を食わされる」というリスクを恐れていると分析します。しかし、彼は「それくらいのリスクを取って、『俺がやるから、みんな石破さんに退陣を迫ってくれ』というような、ファーストペンギンじゃないけど、最初に飛び込んでいく人間がね、自民党にいないことが、今の日本の政治の弱さの象徴でしょ」と力説しました。誰もが口を閉ざし、率先して行動する者がいない状況は、国が直面する課題に対する政治の弱体化を浮き彫りにしています。

橋下徹氏、国の重大な危機にリーダーシップを取る政治家の不在を嘆く橋下徹氏、国の重大な危機にリーダーシップを取る政治家の不在を嘆く

「死ぬまでやりたい」議員と国の危機

橋下氏によれば、国会議員には二つのタイプが存在します。一つは「死ぬまでやっていたい」と考えるタイプ、もう一つは明確な目標を持ち「あと4年かそこいらでやめてもいいからやる」というタイプです。彼は、今の状況は「死ぬまでやりたい」タイプばかりで、本当に国の重大なピンチの時にこそ「手を挙げて、ダメモトでやればみんなの記憶に残る」にもかかわらず、それができない現状を残念がりました。最後に、橋下氏は「仮にダメだったとしても、『ゴゴスマ』とかでコメンテーターで呼ばれるから……」と自虐的なジョークを飛ばし、スタジオは笑いに包まれました。これに対し、石井亮次キャスターは「いや、いや、いや、いや。ゴゴスマっとかって、何かなれの果てみたいに言わないでくださいよ」と反論し、場を和ませました。

この一連のやり取りは、日本の政治が直面するリーダーシップの危機と、リスクを回避しようとする議員たちの姿勢を浮き彫りにしています。


参考資料