東京都内の中学生や高校生を対象に無料通信アプリ「LINE」を使って教育相談をしたところ、今年4月~9月で相談件数が計2120件に上ったことを、都教育委員会が発表した。大多数の中高生がLINEなど会員制交流サイト(SNS)を利用する時代。教育相談でも、多くの自治体が活用するようになっている一方で、「子供たちが、学校の先生より顔の見えない相手とのやりとりに頼る傾向は心配だ」との指摘もある。
都教委のLINEを使った教育相談は今年度から正式に始まり、帰宅後の夜間に利用が多いと見込まれたことから、土日を含め、午後5時から10時まで受け付けている。対象は都内の中高生約64万人。心理カウンセラーなどが相談に応じている。
寄せられた教育相談は1日平均11・6件。最も多く寄せられた時期は4月の第二週(199件)で、8月第四週(151件)と9月第一週(108件)なども多く、年度初めや夏休み明けの相談件数が伸びるという結果だった。
相談内容は、最も多いのが友人関係(533件)で、学業不振(121件)▽家族関係(116件)▽心身の健康(104件)▽男女関係(88件)-などが続いた。
LINEは多くの中高生がスマートフォンで利用し、学校の保護者連絡でも使われるケースが増加。不登校やひきこもりの子供の家庭や学校訪問などに取り組む開善塾教育相談研究所の藤崎育子所長は「教育でも、こうした“道具”をうまく使っていかなければならない時代」と話す。