「10歳の演歌歌手」として華々しいデビューを飾り、国民的番組「紅白歌合戦」にも出場したさくらまやが、27歳となった今、『ABEMA エンタメ』の密着企画「NO MAKE」で、初めて祖母の介護について赤裸々に語った。彼女の祖母は、認知症とパーキンソン病を併発しており、その介護の日々は決して平坦ではないという。かつて“神童”と称された演歌歌手は、現在、どのような生活を送っているのだろうか。
10歳でデビュー、激動の上京生活と“一生もの”の決断
さくらまやは2008年、わずか10歳で北海道から上京し、“史上最年少の演歌歌手”としてデビュー。その歌唱力と愛らしい姿は瞬く間に人気を集めた。当時のさくらは、母親と二人での上京生活を送っていたが、学校が終わればすぐに仕事に向かう多忙な日々で、故郷の北海道に帰省できるのは年に2〜3回程度という状況だった。このような経験が、後の“一世一代の買い物”へとつながったという。約5〜6年前、さくらは東京のベッドタウンである茨城県取手市に、9LDKのガレージ・庭付き一戸建てを35年ローンで購入した。現在は日本大学の大学院に通い学業に励む傍ら、演歌歌手としての活動も続けているさくらだが、学業や仕事のない時間のほとんどを、この豪邸で家族と共に過ごしている。
現実と向き合う介護の日々:認知症とパーキンソン病との闘い
昨年からは、北海道の芽室町に住んでいた母方の祖母を自宅に招き、同居を開始。さくらは自ら祖母の認知症の介護を担っている。「介護は大変で、きれいごとだけではすまない世界があります」と語るさくらの言葉は、その過酷さを物語る。具体例として、食器棚にある皿を全て冷蔵庫に入れてしまったり、石鹸を食べてしまったりといった認知症特有の行動を挙げている。
さくらまやが10歳の演歌歌手としてデビューした当時の様子。あどけない表情と着物姿が印象的。
さらに最近になって、祖母が認知症と共に歩行や会話が困難になるパーキンソン病も併発していることが判明した。「例えばベッドから起き上がるのにすごく時間がかかって、それだけで汗だくになってしまう。筋肉が硬直、もしくは衰えて、ちょっとずつ動かなくなっているからなんだと思います」と、進行する病状による身体的な苦痛と、それを見守るさくらの複雑な心境を明かした。祖母の身体機能の衰えは、介護の負担を一層重いものにしている現実がある。
歌手としての原点、祖母への「恩返し」:後悔なき選択
祖母との最も大切な思い出について尋ねられたさくらは、「祖母の家で祖母と一緒に水槽掃除をするのが楽しみだった記憶が残っていますね」と語った。また、祖父母は「本当にすごいもの」でなければ褒めない人だったが、唯一「うまいんじゃん!」と褒めてくれたのが「歌」だったという。この祖母からの言葉が、彼女が歌を頑張ろうと思ったきっかけになったのかもしれないと振り返る。
さくらまやが、認知症とパーキンソン病を併発する祖母と笑顔で寄り添う姿。介護の日々の中でも絆の深さがうかがえる。
歌うことの楽しさ、そして歌手としての道を開いてくれた祖母への恩返しを胸に、さくらは介護に向き合っている。「いつか祖母が亡くなる時に『頑張ったね。一緒に楽しかったね』って。『もっとできることあったはずなのにね』と言わないようにしたいと思って。今頑張っています」と、後悔のないように今を懸命に生きる決意を語った。彼女の言葉からは、家族への深い愛情と、一人の人間としての大きな成長が感じられる。
さくらまやの物語は、華やかな芸能界の裏側にある、介護という現実と向き合う一人の女性の姿を浮き彫りにする。そのひたむきな努力と家族への愛情は、多くの人々に感動と共感を呼ぶだろう。
参考文献:
- Yahoo!ニュース (2025年7月26日). さくらまや、27歳で「祖母の介護」を初めて告白…認知症とパーキンソン病併発の現状語る. https://news.yahoo.co.jp/articles/efbc237a237c85eb27898ea854131fc6feec0b46
- ABEMA TIMES. (参照元記事に記載のABEMA動画リンクより)