渋谷センター街でリュック窃盗、AirTag追跡と犯人の大胆な逃走劇

21日夜、東京・渋谷のセンター街で、撮影中のアメリカ人カメラマンが置いていたリュックサックが盗まれる事件が発生しました。被害に遭った男性は、リュックに取り付けていた「AirTag」の位置情報を頼りに犯人を追跡。約30メートル先の路地で自身のリュックを漁る男を発見し、取り押さえました。しかし、男は現金約10万円入りの財布と高級サングラスを奪い、再び逃走したと報じられています。この事件は、日本の治安に対する外国人居住者の認識にも影響を与えかねないとして注目されています。

AirTagが導いた窃盗犯追跡の全貌

窃盗被害に遭ったのは、日本で7年間カメラマンとして活動しているアメリカ出身のギレルモさんです。事件当時、ギレルモさんは渋谷で撮影作業を行っており、一時的にリュックサックを傍に置いていました。撮影中にふと気付くと、大事なリュックサックが姿を消していたといいます。慌てるギレルモさんの唯一の頼みの綱は、リュックに取り付けていたApple社の位置情報追跡デバイス「AirTag」でした。

AirTagの情報を確認すると、リュックサックは現場からわずか30メートルほどの場所にあることが判明。ギレルモさんがその場所へ急行すると、自身のリュックサックを広げ、中身を自身の白いバッグに移し替えている男の姿を目撃しました。まさにその場で盗品を漁る大胆な犯行現場に、ギレルモさんは衝撃を受けたとのことです。

渋谷センター街での窃盗事件で、リュックを取り戻そうとする被害者と犯人の揉み合い。渋谷センター街での窃盗事件で、リュックを取り戻そうとする被害者と犯人の揉み合い。

奪われた高価な品々と緊迫の再逃走

ギレルモさんは、窃盗犯とみられる男を取り押さえました。しかし、男は抵抗し、ギレルモさんの財布などを手にしたまま暴れ続けました。ギレルモさんによると、男は約600万円相当という高価なシネマカメラまでも奪おうとしたとのことです。

必死の揉み合いの末、カメラはなんとか奪われずに済みましたが、男はギレルモさんの高級サングラスと現金約10万円が入った財布を奪い、再びその場から逃走しました。この緊迫した状況を目撃したという日本人男性は、「これはかなりやばい奴かもしれないと思った。日本を嫌いになってほしくないから、早く解決してほしい」と語り、事件の深刻さを物語っています。

渋谷でリュックを盗まれた米国人カメラマン、ギレルモさん。渋谷でリュックを盗まれた米国人カメラマン、ギレルモさん。

被害に遭ったギレルモさんは、「僕は日本に住めることに幸せを感じていた。こんなことが日本で起きて、本当に残念だ」と落胆の言葉を述べました。

警視庁による捜査の現状

今回の窃盗事件に対し、警視庁は被害届を受理しており、現在も捜査を継続しています。繁華街での白昼堂々とした窃盗に加え、AirTagによる追跡後に再び逃走するという大胆な手口は、多くの市民に衝撃を与えています。この事件が早期に解決され、日本の治安と信頼が保たれることが期待されます。

(「イット!」7月25日放送より、FNNプライムオンライン記事を基に再構成)