ニュース情報番組『サン!シャイン』(フジテレビ系)でMCを務める俳優・谷原章介氏が、中国の駐大阪総領事・薛剣氏の過激なX(旧Twitter)投稿に関する自身のコメントで物議を醸している。国際的なデリケートな問題に対する谷原氏の発言は、視聴者や各方面から様々な反応を呼び、メディアにおけるバランス感覚の重要性が改めて問われる事態となっている。
中国総領事・薛剣氏、過激な投稿で物議を醸す
中国の薛剣総領事は自身のXアカウントで、日本の高市氏が「台湾有事」について、安全保障関連法に基づく存立危機事態に該当するかどうかを聞かれた際に「武力の行使も伴うものであれば『存立危機事態』になり得るケースだと考える」と答えた報道を引用した。そして、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく切ってやるしかない」と衝撃的な投稿を行った。この極めて挑発的な発言は瞬く間に拡散され、大きな国際問題へと発展している。
ニュース番組MCを務める俳優の谷原章介氏
あまりにも物騒な暴言に対し、各所から非難の声が上がっている。
各界からの強い非難の声
この物騒な暴言に対し、政界からも強い非難の声が上がった。立憲民主党の蓮舫参議院議員は、11月11日に自身のXで「外交には礼節が必要です」「他国の首脳への不当な発言は、信頼を損なう行為です」と投稿。さらに中国語で「貴国の総領事がわが国の内閣総理大臣に対しておこなった極めて不適切な発言に対し、強く抗議します」と抗議の意を表明した。
また、公明党の斉藤鉄夫代表も同様に、自身のXで「中国総領事による一連の発言は、極めて遺憾です」「外交官としてあるまじき言動であり、党代表として強く抗議します」と投稿した。さらには実業家のひろゆき氏までもがXで「この物言いを許すとエスカレートするかと」と懸念を示し、今回の暴言を問題視した。
谷原章介氏の発言が波紋「最初にボールを投げたのは日本側」
こうした批判が殺到する中、谷原氏は『サン!シャイン』の番組内で、薛剣総領事の言葉を「強い言葉」と認めつつも、「最初にボールを投げたのは日本側でもあるじゃないですか」と、総領事を擁護するかのような発言をした。これに対し、番組ゲストの峯村健司氏は「これまでの日本の答弁の延長線上の話」「当たり前の話を言っている」と反論。しかし谷原氏は「今までの総理はここまでの発言、しています?」とさらに自身の見解を主張した。
賛否両論、深まる議論
谷原氏の発言に対して、視聴者からは「首相は国防について語っただけじゃん」「めちゃくちゃ偏った発言してることに気づいてないの?」「番組MCならもう少し民意を汲み取ってくれ」といった疑問の声が多数寄せられた。一方で、「踏み込み過ぎたら中国から反発が来るのは当たり前」「覚悟なしで踏む込むのはあまりに危険」「首相として軽率な発言でしたね」と、谷原氏の意見に賛同する声も存在した。
橋下徹氏もTBS系『サンデー・ジャポン』で、「場合によっては日本と中国がドンパチになる可能性も高市さんは宣言しました。日本に本当に国力がない、そこまでの力がない段階で威勢良く言ってしまったら大変なことになる」とコメントしており、今回の問題は依然として議論の的となっている。
谷原氏の発言の真意は定かではないが、報道番組のMCとして視聴者が求めているのは、個人的な意見よりも多角的な視点やバランス感覚である。今回の件は、国際関係のデリケートなテーマを扱う上でのメディアの役割と責任について、改めて深く考察させる契機となっている。





