西日本と福岡:なぜ「西日本」を冠する企業が福岡に多いのか?

「西日本」という言葉を聞いたとき、皆さんは日本のどの範囲を思い浮かべるでしょうか?近畿地方から西の地域を漠然とイメージする方もいれば、関ヶ原以西を指すと思う方もいるかもしれません。しかし今、SNS上で福岡市在住の大学生「バリカタな福岡市民bot」さん(@Barikata_FUK)が投稿した一枚のマップが大きな注目を集めています。このマップは、「一般的に西日本とされる範囲」として近畿地方以西を示す一方で、「西日本を名乗る企業がやたら多いエリア」として福岡県を中心とした九州北部を明示しており、多くの人々の関心と疑問を喚起しています。

SNSで話題の「西日本」マップとは?

投稿されたマップは、「西日本」という呼称の曖昧さと、福岡県に顕著に見られる「西日本」を冠する企業群の集中という興味深い現象を視覚的に示しています。実際に福岡県には、西日本鉄道、テレビ西日本、西日本新聞社、西日本シティ銀行、西日本工業大学など、社名に「西日本」を含む企業や団体が多数存在します。この傾向は、戦前からすでに確認されていたという事実が、その地域的な特性の深さを示唆しています。

日本地図上で「西日本」と認識される範囲と、社名に「西日本」を冠する企業が多い福岡県周辺を示すマップ日本地図上で「西日本」と認識される範囲と、社名に「西日本」を冠する企業が多い福岡県周辺を示すマップ

福岡から見た「西日本」のユニークな視点

このユニークな視点に気付いた「バリカタな福岡市民bot」さんは、元々福岡在住ではなかったため、「西日本」と聞けば大阪や近畿地方のイメージが強かったといいます。しかし、福岡に移住して以来、頻繁に目にする「西日本」を冠する企業群に「福岡の企業が名乗るんだ」と新鮮な驚きを覚えたそうです。

この傾向について彼は、九州が日本の南に位置するという印象が強い中で、福岡は九州の中でも北部に位置し、本州から見ると地理的には「南」というよりも「西」に当たると指摘しています。また、かつて日本の中心機能を担っていた近畿地方が「西日本」というよりも「日本の中央」としての側面が強かったことを踏まえると、福岡の企業が自らを「西日本」と名乗ることは、非常に興味深く、その地域独自のアイデンティティを反映していると分析しています。この投稿が予想以上に大きな反響を呼んだことについては、「西日本」という普遍的な言葉だからこそ、そこに潜む意外性が多くの人々の共感を呼んだのではないかと語っています。

ウィキペディアで「西日本」を冠する企業名を検索した際の表示画面ウィキペディアで「西日本」を冠する企業名を検索した際の表示画面

広がる共感と新たな問いかけ

「バリカタな福岡市民bot」さんの投稿には、「西日本鉄道が近鉄並みにデカいと勝手に想像してたガキの頃」「西日本鉄道『そうそう』西日本旅客鉄道『ん・・・』」「確かに西日本のつく企業、大阪と福岡が大部分を占めてる。」「『北日本』を名乗る企業や団体に、なぜか北海道は入ってないんですね。」といった数々の驚きや共感の声が寄せられました。これらの反応は、多くの人々が「西日本」という言葉に対して多様なイメージや認識を持っていることを浮き彫りにしています。

まとめ

本記事では、SNS上で話題となった「西日本」の地域認識と、福岡県に集中する「西日本」を冠する企業群の謎について深掘りしました。「西日本」という言葉の地理的定義が必ずしも一様ではない中で、福岡の企業がその名を冠し、地域ブランドとして確立している現象は、日本の地域性の奥深さを示すものです。

本州出身でありながら福岡で大学生として活動する「バリカタな福岡市民bot」さんは、奈良や京都などをテーマにした「〇〇な△△民bot」系の投稿者の福岡版として、客観的でユニークな視点から福岡や九州の魅力を発信しています。彼の活動は、私たちに「西日本」とは何か、そして日本各地の地域が持つ独自の魅力について改めて考えさせてくれるでしょう。


参照元

  • まいどなニュース
  • Yahoo!ニュース