参院選大敗で石破首相へ辞任要求噴出、自民党両院懇談会の波紋

自民党が歴史的な大敗を喫した参院選(20日投開票)を受け、党内で石破茂首相(党総裁)の責任論が急速に高まっています。28日に開催された両院議員懇談会では、石破首相への辞任要求が相次ぎ、首相の続投方針に対し党内から激しい反発が噴出。この懇談会の内幕を、比例代表で落選した佐藤正久前参院議員が29日放送のBS日テレ「深層NEWS」で明かし、党内の深刻な対立が浮き彫りとなりました。

落選した佐藤正久氏が語る自民党両院議員懇談会の内幕落選した佐藤正久氏が語る自民党両院議員懇談会の内幕

参院選総括を巡る両院議員懇談会の実情

今回の両院議員懇談会は、参院選での大敗を受けて党の総括を行う目的で開かれました。冒頭、石破首相は「大変厳しい結果で、多くの議席を失った。深く、心からおわび申し上げる」と陳謝しましたが、党内の主流派とされる旧安倍派、旧茂木派、麻生派の議員を中心に、石破首相や森山裕幹事長ら執行部の責任を問う意見が次々と噴出し、首相の続投を否定する声が相次ぎました。懇談会終了後も、石破首相は報道陣に対し「(続投方針に)変わりはございません。果たすべき責任を果たしたい」と述べ、自身の辞任を否定する姿勢を貫きました。

佐藤正久氏が明かす会合の生々しい雰囲気

佐藤正久氏の証言によると、懇談会で発言した議員の7割以上が石破首相の辞任を要求したといいます。「石破さんの続投を擁護する方は5~6人しかいなくて。40人弱が“けじめをつけて退陣”という声が多かった」と佐藤氏は振り返り、集中砲火を浴びる石破首相の姿は「よく耐えられるな、かわいそうと同情を引くような感じ」であったと語りました。しかし、この同情的な空気は、石破首相が会合の最後に発した言葉で一変したと佐藤氏は指摘します。

首相の言葉が招いた「ガス充満」の結末

佐藤氏によれば、石破首相は懇談会の締めくくりに「聞いた意見を基に適切に判断してまいりたい」といった「役人言葉」で発言を終えました。この言葉は、せっかく芽生えかけた党内の同情ムードを「最後の一言でぶち壊した」と佐藤氏は手厳しく批判しました。さらに、懇談会後のぶら下がり取材で首相が「適切に判断してまいりたい」という言葉ではなく、「続投の意思に変わりはありません」と明確に辞任を否定したことで、懇談会は「ガス抜きどころかガスが充満する感じになっている」と佐藤氏はその場が全く機能しなかったことを示唆しました。

結論

今回の自民党両院議員懇談会は、参院選大敗後の党内での石破首相への不満と責任論が表面化した場となりました。多くの議員が辞任を求める中、石破首相が続投の意思を明確にしたことで、党内の亀裂はより深まったと見られます。佐藤正久氏の証言は、懇談会が党内の「ガス抜き」にはならず、むしろ不満を増幅させる結果に終わったことを示しており、今後の石破政権の運営はさらに厳しいものとなることが予想されます。


参考文献: