中国出身芸人いぜん、ネット上の「中国人バッシング」に「日本への恩はスリットより深い」と感謝表明

中国出身の人気お笑い芸人いぜん氏(27)が31日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、インターネット上で散見される中国人への批判的な声に対し言及しました。彼女は、そうした誹謗中傷にも関わらず、日本に対する深い感謝の念を表明しています。

ネット上の攻撃に対するいぜん氏の毅然たる姿勢

いぜん氏はXの投稿で、「皆さん、ご安心ください どんだけ中国人として一部の人々に嫌われたり攻撃されたりしても 私は決して日本の事、日本人の方々のことを一括りして嫌になったりしねぇよ」と力強く述べました。この発言は、特定の個人による批判と、日本全体への評価を明確に区別するものです。さらに、「日本に知り合いが1人もいない状態から来て、ここまでやってきたのが日本のみんなのお陰 恩がチャイナドレスのスリットよりもふけぇよ」と綴り、自身の成功が日本の人々からの支えによるものであることを、印象的な比喩を用いて表現しました。この言葉は、在日中国人に対する偏見やバッシングといった社会的な問題に直面しながらも、日本への深い恩義と感謝を忘れない彼女の強い意思を示しています。

中国出身の芸人いぜん氏のポートレート。ネット上のバッシングに対し感謝の意を表明したことで話題に。中国出身の芸人いぜん氏のポートレート。ネット上のバッシングに対し感謝の意を表明したことで話題に。

異色の経歴を持ついぜん氏の日本での挑戦

いぜん氏は、その多才な経歴でも知られています。難関の北京大学付属高校を卒業後、2019年に留学ビザを取得して東京都立大学へ来日。在学中には吉本興業の養成所NSCに入所し、日本のお笑いを本格的に学び始めました。大学卒業後、芸人としての就労ビザ取得を目指しましたが、在留資格が認められないという困難に直面。しかし、そこで諦めることなく、留学ビザの継続のために東京大学大学院を受験し、見事合格を果たしました。現在は同大学院で核融合という最先端の研究に取り組んでおり、芸人活動と学業を両立させる異色の存在として注目を集めています。彼女の日本での歩みは、数々の困難を乗り越え、自己の目標を追求し続ける強い精神力を象徴しています。

まとめ

いぜん氏の今回の発言は、ネット上での無理解や攻撃に対し、冷静かつ感謝の意をもって応じる彼女の成熟した姿勢を浮き彫りにしました。日本での経験と、困難を乗り越えてきた自身の歩みから培われた「恩」の深さを語る彼女の言葉は、国籍を超えた相互理解と多様性の尊重の重要性を改めて私たちに問いかけています。

参考文献