英国の大手スーパーが日本風の「イチゴとクリームのサンドイッチ」を先月下旬から発売し、日本でも話題になっていると聞く。
開店と同時に店頭から消えるほどの人気が続いており、筆者も店を何軒か回って買うことができた。
日本ではフルーツサンドは一般的だが、英国では果物を具の主役にする習慣はない。なので大した期待はしていなかったのだが、驚くことに想像をはるかに上回る美味だった。
初夏が旬である新鮮なイチゴに加え、乳製品の扱いでは世界第一級とされる英国のクリームが味の柱となっているためだろう。
一方、この人気を税務当局が見逃さないのでは、との指摘も出ている。
英国では国民食のサンドイッチは付加価値税(消費税)が非課税なのだが、菓子類は20%課税の対象となる。イチゴサンドは菓子類と見なされ、課税されかねないというのだ。
英税法ではビスケットとケーキは非課税だが、チョコレートがけのビスケットは菓子類に分類される。このため、国民的人気の「ジャファケーキ」と呼ばれる、チョコをかけたオレンジ味の一口ケーキが税務当局から菓子類に分類されそうになり、法廷闘争の末に無税になったこともある。
食品業界と税務当局とのせめぎ合いは決して甘くない。(黒瀬悦成)