伊東市長・田久保真紀氏、学歴詐称問題で一転「続投」表明 – 市民の声と公約達成を強調

学歴詐称疑惑が浮上し、一度は辞任と出直し市長選への出馬を表明していた静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)が31日、定例会見でこれまでの姿勢を一転させ、続投する意向を明確に表明しました。この決定は、伊東市民の間で賛否両論を巻き起こしています。

辞任撤回と続投の理由

田久保市長は会見で、学歴問題に関する騒動について改めて謝罪の意を示しました。その上で、市民からの厳しい声と同時に「最後までやり遂げろ」という激励の声も多数寄せられたと報告。市長としての「使命」を強調し、公約として掲げてきた新図書館建設計画の中止や伊豆高原メガソーラー計画の白紙撤回などを必ず実現すると述べました。「必ず結果でお返しをしていきたい」と語り、記者からの「辞職しないという会見か」との確認には「そのように理解して頂いて結構でございます」と応じ、続投の意思を固めたことを明らかにしました。

学歴詐称問題で続投を表明した伊東市長・田久保真紀氏学歴詐称問題で続投を表明した伊東市長・田久保真紀氏

「除籍」認識の食い違いと過去の経緯

田久保市長は、自身が大学から「除籍」されていた事実を知ったのは「6月28日」だったと繰り返し強調しました。この日初めて除籍の事実を認識したとし、それまでは知らなかったと説明することで、自身の過失が故意ではなかったことを示唆しました。

これまでの経緯として、田久保市長は今月7日の会見で辞任と出直し市長選への出馬を表明していました。この際、広報誌などで「東洋大法学部卒業」と記載していた自身のプロフィールが、実際には大学を「除籍」されていたことが判明したと説明。また、市議会議長に提示したとされる「卒業証書」の文書については、検察の捜査に委ねる意向を示していました。

さらに、18日には記者団の取材に対し、月内に辞職する考えを明らかにしていたため、今回の続投表明は大幅な方針転換となります。自身の学歴問題に関する市議会調査特別委員会(百条委員会)への証人尋問への出席を拒否した件については、百条委員会側の説明が不十分であったとの認識を示していました。

伊東市の混乱と今後の展望

田久保市長は5月29日に就任しましたが、市の広報誌で東洋大学卒と紹介したプロフィールが虚偽であったことが明らかになり、市議会は7月7日、市長に対する辞職勧告決議を全会一致で可決していました。広報誌での紹介経緯などを調べるため百条委員会も設置され、職員への証人尋問も実施されていました。

今回の続投表明により、伊東市政は引き続き学歴詐称問題という重い課題を抱えることになります。田久保市長が市民の支持を得て公約を達成し、市政を正常化できるかどうかが今後の焦点となるでしょう。


参考文献