【新NISA】15年間で資産はどれだけ増える?積立投資シミュレーションと成功の鍵

現在の日本は物価高騰が続き、将来への経済的な不安から、単純な貯蓄だけでは老後の生活費が賄えるのかと考える人が増えています。こうした背景から、安定的な資産形成を目指す効率的な手段として「積立投資」への関心が高まっており、特に「新NISA」制度が注目を集めています。

金融庁が発表した「NISA口座の利用状況調査」によると、2025年3月末時点で2647万ものNISA口座が開設されています。これは2024年12月末と比較して90万近く増加しており、新NISA制度が開始されて1年以上が経過した現在でも、その利用が活発に拡大していることを示しています。本記事では、新NISA制度の「つみたて投資枠」を利用して15年間積立投資を行った場合の具体的なシミュレーションを3つの積立額パターンでご紹介します。さらに、積立投資を始める際の重要なポイントについても詳しく解説します。実際の投資成果は利回りや市場環境により異なりますが、積立投資の参考にしてください。

NISAや積立投資による資産形成のイメージ。着実に増える硬貨の山。NISAや積立投資による資産形成のイメージ。着実に増える硬貨の山。

積立投資シミュレーション:15年後の資産形成を試算

積立投資が実際にどれほどの資産形成に繋がるのか、3つの積立金額で15年間運用した場合の最終的な利益の差をシミュレーションします。

【シミュレーションの前提条件】

  • 投資期間: 15年間(50歳から65歳を想定)
  • 年間利回り: 5%
  • 投資方法: 毎月定額投資
  • 投資金額: 月1,000円、1万円、3万円の3パターン

パターン1:月1,000円積立の場合

  • 総投資額: 18万円
  • 運用益: 9万円
  • 最終的な運用資産: 27万円

パターン2:月1万円積立の場合

  • 総投資額: 180万円
  • 運用益: 87万円
  • 最終的な運用資産: 267万円

パターン3:月3万円積立の場合

  • 総投資額: 540万円
  • 運用益: 262万円
  • 最終的な運用資産: 802万円

上記のシミュレーション結果は、あくまで一定の利回りでの計算であり、実際の投資成果は運用する商品の性質や市場の変動に大きく左右されることにご留意ください。

積立額設定の重要性:失敗しないためのポイント

積立投資を始める上で、初期の積立金額の設定は極めて重要です。積立金額を一定に保つことで、長期的な視点での商品の価格変動リスクを効果的に抑えることが可能になります。

もちろん、積立金額は途中で変更することもできますが、安定的に資産形成を進め、リスクを最小限に抑えるためには、あらかじめ計画している投資期間にわたって無理なく継続できる金額を、開始時点でしっかりと見極めることが大切です。

シミュレーション結果が示すように、利回りが一定であれば、投資額が多いほど最終的な受取額は高くなり、利益率も向上します。しかし、投資額を高く設定すればするほど、万一「元本割れ」が発生した場合のマイナス額も大きくなるリスクがあります。

積立投資は安定的な投資手段の一つとして知られていますが、売却のタイミングや市場環境によっては、必ずしも利益が生じるとは限りません。投資した元本が手元に戻ってこない可能性も十分に視野に入れながら、ご自身の経済状況やリスク許容度を踏まえて、最適な積立額を慎重に決定することが成功への鍵となります。

まとめ

本記事では、新NISA制度を活用した積立投資の具体的なシミュレーションを通じて、資産形成の可能性と、積立額設定の重要性について解説しました。現在の経済状況において、積立投資は将来の不安を軽減し、着実に資産を築くための有効な手段となり得ます。

しかし、投資には元本割れのリスクが常に伴います。ご自身の目標とリスク許容度を明確にし、無理のない範囲で継続できる積立額を計画することが、成功への第一歩です。NISA制度を賢く利用し、長期的な視点を持って資産形成に取り組むことで、将来に向けた安定した経済基盤を築きましょう。

参考文献

  • 金融庁「NISA口座の利用状況調査」
  • LIMO「15年間「1000円・1万円・3万円」を積立投資したときの結果」(Yahoo!ニュース掲載)