高市早苗首相誕生か?右翼連合政権が招く日本の「大敗北」とは

先の参院選における自民党の大敗北が「裏金議員」と「アベノミクスの失敗」に起因すると指摘された中、もし石破茂首相が辞任し、その後「大右翼連合」による政治が実現した場合、日本は「大敗北」へと向かう可能性が示唆されています。本稿では、その具体的なシナリオと、日本が直面しうる変化について詳細に分析します。

右傾化する日本の政治と連立の可能性

石破首相の辞任という事態に至り、仮に小泉進次郎農林水産相ではなく高市早苗前経済安全保障相が自民党の総裁に就任すれば、自民党の右傾化は避けられないでしょう。これに伴い、与党である公明党もさらに右傾化を強める可能性が高まります。現状では衆参両院で過半数を失っている自公両党だけでは政権維持が困難となるため、新たな連立の模索が必須となります。

想定される「大右翼連合」の形成

高市氏を支持する層は、世論調査などからも参政党や国民民主党の支持層と重なることが明らかになっています。もし過半数を確保する連立政権を構築するとすれば、自民・公明・国民民主・参政の枠組みが極めて現実的です。場合によっては、日本維新の会も加わった「自公国参維」という巨大な右翼連合政権が誕生する可能性も十分に考えられます。ただし、不安定な政治状況の中、いつ衆議院の解散総選挙が行われてもおかしくないため、野党各党は当面、自民党との連立を避ける傾向にあるかもしれません。これは、「自民補完勢力」という批判を回避するためと見られます。当面は連立ではなく、個別政策ごとに部分的な連携を組む可能性が高いでしょう。しかし、衆議院選挙後には、本格的な大右翼連合政権が形成される可能性は極めて高くなります。

古賀茂明氏が語る、石破首相辞任後の日本政治と経済の行方古賀茂明氏が語る、石破首相辞任後の日本政治と経済の行方

「アベ政治の拡大版」としての経済・財政政策

右翼連合政権、あるいは右翼政党が影響力を持つ自民・公明と一部野党の個別政策ごとの連携の政治によって、日本の政治はどのように変わるのでしょうか。参政党などはかなり大胆な政策を提唱していますが、現時点での見立てでは、結果としてそれほど大きな変化はなく、その政策の中身は「安倍政治の拡大リフレイン」、すなわち繰り返しに過ぎないと予測されます。そして最終的には、何らかの形で日本は「大敗北」へと向かっていくことになるでしょう。

アベノミクスの「拡大リフレイン」の予兆

まず、経済財政政策においては、アベノミクスで顕著だった極端なバラマキと政府の借金拡大がさらに強化される方向に向かうと見られます。高市氏は自民党内でも、アベノミクスを強化し継承する立場を最も鮮明にしている政治家の一人です。消費税減税に反対した石破首相とは異なり、高市氏は食料品の消費税率をゼロ%にすることを主張しており、これは野党が求める消費税減税の要求を容易に受け入れることができるため、連立の枠組みを拡大する上でプラスに作用する可能性もあります。

自民党の右傾化を象徴する政治家、高市早苗前経済安全保障相自民党の右傾化を象徴する政治家、高市早苗前経済安全保障相

高市氏の財政・消費税観と連立への影響

財政状況自体についても、高市氏は債務だけでなく資産を合わせたネットで見ればG7の中でも良好であると述べるなど、楽観的な見解を示しています。これにより、消費税の減税以外の野党が要求する様々なバラマキ政策にも「柔軟に対応する」姿勢を見せるでしょう。アベノミクスは、バラマキを続けて国債を発行しても問題ないという「でたらめ」を広め、今日の財政状況を生み出しました。その結果、これだけのインフレになっても、国債利払い費の上昇を恐れて日本銀行が金利引き上げに動けず、記録的な円安を招いて国民の生活をさらに圧迫するという悪循環に陥っています。

深刻化する経済の悪循環と国民生活への影響

現在の悪循環から抜け出すどころか、右翼連合政権下では「負のスパイラル」がさらに強化されることになります。国債の発行が続き、インフレが進行する中で、日本銀行は利払い費の増大を懸念し、金利を上げることができない状態が続くでしょう。これにより、円安はさらに加速し、輸入物価の高騰を通じて国民の購買力を奪い、生活は一層苦しくなることが予想されます。

結論

石破首相辞任後の日本の政治が右傾化し、高市早苗氏が首相となるシナリオは、単なる政権交代以上の意味を持ちます。それは、「安倍政治」の経済・財政政策がより過激な形で反復され、バラマキと借金拡大が加速する未来を暗示しています。この「負のスパイラル」が強化されれば、日本経済は長期的な停滞と国民生活のさらなる圧迫という「大敗北」へと不可避的に向かっていく可能性が高いと言えるでしょう。

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