永尾柚乃の「誘拐の日」での熱演:なぜ彼女は“天才子役”と呼ばれるのか

『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)での大ブレイクから2年。2024年7月8日から放送が開始されたテレビ朝日系ドラマ『誘拐の日』で、子役の永尾柚乃が再び大きな注目を集めています。本作は、韓国でドラマ化されたチョン・ヘヨンによる同名小説が原案のヒューマンミステリー。心優しい誘拐犯・新庄政宗(斎藤工)と記憶喪失の天才少女・七瀬凛(永尾柚乃)という異色のバディが織りなす逃亡劇が描かれており、永尾柚乃の深みのある演技が期待されています。

プロデューサーが絶賛する“唯一無二の存在”

日本でのドラマリメイクにあたり、永尾柚乃の存在が大きな後押しとなったことは明らかです。本作のプロデューサーである峰島あゆみ氏は、永尾の起用理由について「正直、日本で今この役を演じられるのは永尾柚乃さんしかいないと思っています。逆に言えば、彼女がいてくれたからこそリメイクに踏み切れたと言っても過言ではありません」と語っています。これは、彼女の演技力がこの難役をこなす上で不可欠であったことを示唆しており、テレビ朝日から多くのヒット作を手がけてきたプロデューサーを唸らせるほどの才能の持ち主であることが分かります。

永尾柚乃は2016年10月生まれの現在8歳。幼少期の思い出作りのために芸能界入りし、わずか1歳半で『コールドケース2 〜真実の扉〜』(WOWOW)でデビューしました。その後、『拾われた男 LOST MAN FOUND』(NHK BSプレミアム/ディズニープラス)や『エルピス-希望、あるいは災い-』(カンテレ・フジテレビ系)といった話題作に出演し、着実に経験を積んでいきました。

「誘拐の日」で主演を務める永尾柚乃。その演技に期待が高まる。「誘拐の日」で主演を務める永尾柚乃。その演技に期待が高まる。

驚異の演技力:『ブラッシュアップライフ』での“チビ麻美”

永尾柚乃が一躍スターダムにのし上がったのは、2023年1月期に放送されたバカリズム脚本の『ブラッシュアップライフ』です。このドラマでは、交通事故で人生を終えた主人公・麻美(安藤サクラ)が、来世も人間として生まれ変わるために人生をやり直す物語が展開されました。永尾は、見た目は幼稚園児ながら中身は33歳という「チビ麻美」こと麻美の幼少期を演じ、その説得力ある表情演技で視聴者を驚かせました。

特に際立っていたのは、保育士の先生と同級生・玲奈ちゃんの父親が親しげに話している場面です。将来彼らが不倫関係に陥ることを知っている“チビ麻美”は、心底軽蔑したような複雑な表情を見せます。それでも、玲奈ちゃんのため、そして自身の徳を積むために不倫を阻止しようと淡々と計画を進める過程で見せる、どこか達観した大人びた表情は、年齢とのギャップから来るユーモアと哀愁が入り混じった独特の魅力を放っていました。永尾柚乃の繊細かつ巧みな表情演技がなければ、この複雑な設定のドラマは成立しなかったと言えるでしょう。

まとめ

永尾柚乃は、『ブラッシュアップライフ』で見せた年齢を超越した演技力と、峰島プロデューサーが「唯一無二」と評する才能で、日本のエンターテインメント界においてその存在感を確立しています。『誘拐の日』での新たな挑戦は、彼女の多岐にわたる演技の幅をさらに広げることとなるでしょう。今後も彼女の活躍から目が離せません。

参考文献

  • Yahoo!ニュース
  • 文春オンライン