(CNN) 米国のドナルド・トランプ大統領が発表したブラジルから米国への輸入品に対する50%の関税が6日から発効した。中国はこの機を逃さず、トランプ関税で特に大きな影響を受けるブラジル産コーヒーに対して市場を開放している。
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在ブラジル中国大使館は、中国のフードデリバリー大手、美団(メイトゥアン)を紹介する動画をX(旧ツイッター)に投稿し、中国企業がブラジルに進出していると宣伝。「この橋は双方向だ。ブラジルも愛しのブラジル産コーヒーを通じて中国で存在感を強めている」とした。
この数日前に同大使館は、中国が新たにブラジルのコーヒー企業183社に対して5年間の輸出許可を出したと発表。中国ではコーヒーの消費量が増え、「中国人の日常生活に定着しつつある」と強調していた。
米国は世界最大のコーヒー輸入国。ブラジル産のコーヒーは、2024年に米国へ輸出された150万トンのうち30.7%を占めていた。
専門家は、トランプ関税の影響でブラジル政府が他国との関係強化に乗り出す可能性があると指摘していた。
米国はブラジルに対して貿易黒字を計上しているが、政治的理由で関税を40ポイント引き上げると通告。トランプ大統領は先週、自身と親しいジャイル・ボルソナーロ前大統領がクーデターを企てた罪に問われていることを「重大な人権侵害」と主張して、ブラジルに対して新たな関税を課す大統領令に署名した。
中国外務省の郭嘉昆副報道局長は6日の記者会見で、中国とブラジルの協力関係は双方の国民にとって利益があると述べ、今後もさまざまな分野や「新たな戦略的側面」で関係を深めていく意向を強調した。