玉川徹氏が日米関税交渉の齟齬に「アメリカは先進国ではない」と苦言

元テレビ朝日社員の玉川徹氏が8日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し、日米間の新たな相互関税を巡る認識の齟齬について言及しました。日本政府が説明する「相互関税15%」の内容に対し、トランプ政権側が従来の関税に15%上乗せすると主張するなど、日米間で食い違いが生じ、混乱が広がっています。この複雑な日米貿易交渉の現状について、玉川氏は独自の視点から分析を加えました。

羽鳥慎一モーニングショーで日米関税交渉について解説する元テレビ朝日社員の玉川徹氏羽鳥慎一モーニングショーで日米関税交渉について解説する元テレビ朝日社員の玉川徹氏

日米関税の齟齬と玉川氏の見解

番組が取り上げた日米の新たな相互関税問題に対し、玉川氏はまず「今の段階では、日本側、アメリカ側どちら側に瑕疵があるのか分からない」と慎重な姿勢を見せました。しかし、外交交渉の慣例に照らし合わせると、通常は事務方同士が詳細を詰め、トップ会談は形式的な儀式として行われると指摘。その上で、「日本側はアメリカ側のどこかとは、日本側の発表通りのことをきちんと進めていたはずだ」との見解を示しました。

玉川氏は、今回の日米間の認識のずれについて、事務方レベルでの合意が成立していたにもかかわらず、「むしろそれより上のホワイトハウスの方で、このような変更のような指示が出されたのではないか」と推測。これは、まさに“ちゃぶ台返し”とも言える状況だと述べました。

米国の交渉姿勢への疑問と今後の展望

玉川徹氏は、事務方同士で話がまとまっているにもかかわらず、トップの一存でそれを覆すという米国の交渉姿勢に対し、強い疑念を表明しました。「私は、このようなアメリカを先進国とは思えない」と持論を展開し、その外交における信頼性の欠如を厳しく批判しました。

さらに、日米間で合意文書が作成されていない現状にも触れ、仮に合意文書が交わされていたとしても、「トランプ大統領がそれを覆さないかと言ったら、そんなことはないだろう」と私見を述べ、トランプ政権との交渉の難しさを強調しました。玉川氏は、このような状況下で日本が取るべき戦略として、「継続的に交渉を続けながら、日本にとって有利な状況を都度都度、確認し、地道に勝ち取っていくしかない」との見通しを示しました。

結論

日米間の相互関税を巡る認識の齟齬は、外交における基本的な信頼関係のあり方を問いかける問題であり、玉川徹氏の指摘は、トランプ政権との交渉が抱える本質的な困難を浮き彫りにしました。日本は、合意文書の有無に関わらず、粘り強く交渉を継続し、細部にわたる確認を怠らない戦略が不可欠となります。これは、国際社会における日本の国益を確保するための重要な課題であり続けるでしょう。

参考文献

  • Yahoo!ニュース: 元テレビ朝日社員の玉川徹氏が8日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演。日米関税交渉で「相互関税15%」で合意とされていた内容を巡り、日米間で齟齬(そご)が起きていることについて言及した。 – 2025年8月8日 – https://news.yahoo.co.jp/articles/eeaff036fbb3e6d7dc619cccb67d206a497bac2f