弁護士の橋下徹氏(56)が9日放送のテレビ大阪「大阪おっさんぽ」に出演し、自身の家族、特に妹に関する知られざるエピソードを語りました。元大阪市長として公務員の退職金削減を断行した同氏が、その政策が自身の肉親に直接影響を与えていたという事実は、視聴者や読者に大きな驚きを与えています。
「大阪おっさんぽ」での家族話:たこ焼き店での意外な告白
この日の番組は、歌手の堀内孝雄氏、番組MCのメッセンジャー・黒田有氏とともに、東大阪市の布施を巡る“街ブラ”企画でした。一行が立ち寄ったたこ焼き店での何気ない会話が、橋下氏のプライベートに深く踏み込むきっかけとなります。話題が各自の「きょうだい」に及ぶ中で、橋下氏は妹との二人きょうだいであることを明かしました。
メッセンジャー黒田氏が「妹さんはどうなんですか?橋下徹の妹とバレたときに…キツイですよ」と問いかけると、橋下氏は意外な事実を告白します。「僕が大阪市長の時に、妹が大阪市の教員やったんです」。この言葉には、堀内氏も黒田氏も驚きを隠せませんでした。
市長時代の「公務員退職金カット」と家族への影響
橋下氏の衝撃的な告白はさらに続きます。妹の夫も大阪市の教員であり、さらにはその夫の両親までもが大阪市の教員だったというのです。この事実に、黒田氏は「うわあ!給料下げろ、と言った時ですやん」と指摘。橋下氏は「僕が全国で初めて、公務員の退職金をカットしたんですよ」と当時を回想しました。橋下氏が市長だった2012年、大阪市は職員の退職金を5%減額するという、全国的にも異例の厳しい改革を断行していました。堀内氏も思わず「最悪やん」と漏らすほど、その影響は甚大だったと推測されます。
大阪おっさんぽに出演し、自身の家族について語る橋下徹氏
理解と疑念の間で:橋下氏と家族、そして周囲の反応
自身の政策が、最も身近な家族に影響を及ぼすという複雑な状況の中で、橋下氏は当時の心境を語りました。特に、妹の義理の父母がちょうど退職の年度だったにもかかわらず、「お兄さんのやりたいことも分かるんで、思いっきりやってほしい」と理解を示してくれたことに対し、感謝の念を述べています。
しかし、この美談とも言える話に対し、メッセンジャー黒田氏からは「ほんまですか、それ?」「そんなようできた話あります?自分がせっかく60歳まで働いて退職金下げられて。それも計画して生きてらっしゃるわけでしょ?殺生ですよ、そりゃ」と、厳しい疑念の目が向けられました。これに対し、橋下氏は「そうなんですよ…それでも言ってくれたし」と家族の寛容さに改めて感謝を述べ、さらに妹の夫(義理の弟)についても、自身が市長であったがゆえに「橋下の義理の弟か」という視線の中で現場では大変な思いをしただろうと、その苦労を思いやっている様子でした。
まとめ
橋下徹氏が「大阪おっさんぽ」で明かした家族とのエピソードは、公人としての職務と、肉親への影響という個人的な葛藤が交錯する複雑な状況を浮き彫りにしました。自身の信念に基づいた政策が、最も身近な人々に影響を与える中で、家族からの理解と、世間の厳しい目が向けられる現実。この話は、政治家の決断が持つ多面的な影響を改めて考えさせるものであり、また家族という存在の大きな支えを再認識させる機会となりました。
参考文献: