ロシア外務省のザハロワ報道官は10日、9日で80年となった第二次大戦の旧ソ連の対日参戦は不当だったとした岩屋毅外相の発言について「容認できない」とする声明を発表した。対日参戦に伴う北方領土の不法占拠に関しても、北方領土は国連憲章などに基づいて合法的に旧ソ連と後継国ロシアに帰属変更されたと一方的に正当化した。
【ひと目でわかる】80年前、ソ連は中立条約やポツダム宣言受諾を無視して日本侵略を続けた
これに先立ち、岩屋外相は8日の記者会見で、旧ソ連の対日参戦について「当時まだ有効だった日ソ中立条約に明白に違反するものだ」と指摘。「不当なソ連の対日参戦に関する露政府の独善的な主張は受け入れられない」とも述べていた。
ザハロワ氏は声明で、岩屋外相の発言が「現代日本の報復主義的な政策の核心を表している」と指摘。日本が「地球上で唯一、戦後処理の結果を完全には容認せず、東アジアで犯した多数の罪を『漂白』しようとしている」などとも述べた。
その上で、大戦終結80年を迎えるのを前に、ロシアは日本にアジア侵略の責任を全面的に認めるよう求めるとした。(小野田雄一)