英国のベテラン女優エマ・トンプソン(66)が、スイスで開催中の第78回ロカルノ国際映画祭で驚きの告白をしました。彼女が明かしたのは、約27年前、ドナルド・トランプ氏(当時実業家)から受けたというデートの誘いに関するエピソードです。このユニークな出来事は、その後の米国の歴史がもし違っていたら?というユーモラスな問いかけとともに、多くの注目を集めています。
スイスで開催された第78回ロカルノ国際映画祭のレッドカーペットにて、笑顔を見せる英国女優エマ・トンプソン氏。
「美しい家」への招待:トランプ氏からの具体的な提案
ドイツ紙「シュテルン」などの報道によると、トンプソン氏は今月6日に開幕したロカルノ国際映画祭のイベントで、1998年に映画『プライマリー・カラーズ』(原題:Primary Colors)の撮影中に起きた出来事を語りました。当時実業家であったトランプ氏から直接電話があり、「私の美しい家の一つに滞在してはどうですか? 一緒にディナーもできますよ」と誘われたと明かしています。
ユーモアと「ストーキング」の指摘:もしもの歴史
トンプソン氏は、「ご親切にどうも。ありがとうございます。またご連絡しますね」と丁寧に誘いを断ったといいます。そして、冗談交じりに「もし私がトランプ氏とデートしていたら、米国の歴史は変わっていたかもしれない」と発言し、会場を沸かせました。さらに、トランプ氏がどのように自身の滞在先の連絡先を知ったのかについて、「ストーキング」という言葉で表現。その日はちょうど彼女が映画監督ケネス・ブラナー氏との離婚が確定した日であったため、「トランプ氏は離婚した素敵な女性を探していたに違いない」と推測しています。当時、トランプ氏自身も2人目の妻マーラ・メープルズ氏と離婚したばかりでした。
作品と栄誉:多才なキャリアの軌跡
トンプソン氏が出演した映画『プライマリー・カラーズ』(日本語題は『パーフェクト・カップル』)は、アーカンソー州知事からホワイトハウス入りを果たしたビル・クリントン元米大統領と、その不倫スキャンダルをモチーフにした作品です。この中でトンプソン氏は、ヒラリー・クリントン氏をモデルとした「知事の妻」スーザン・スタントン役を演じました。また、彼女は世界的ヒット作『ハリー・ポッター』シリーズでトレローニー先生役を演じたことでも広く知られています。1996年の映画『いつか晴れた日に』(原題:Sense and Sensibility)では脚本と主演を兼ね、アカデミー脚色賞、英国アカデミー賞の作品賞・主演女優賞、さらにはベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞するなど、数々の輝かしい功績を残しています。今年のロカルノ映画祭では、長年の功績を称える功労賞「レオパードクラブ賞」を受賞しました。
このエピソードは、エマ・トンプソン氏の機知とユーモア溢れる人柄を象徴しています。彼女の多岐にわたるキャリアと、過去の出来事に対するユニークな視点が、今回のロカルノ国際映画祭で再び世界中の注目を集めることとなりました。