ガザ戦闘「早期終結目指す」ネタニヤフ首相、ガザ市制圧を指示 ハマスは反発

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は10日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘について「早く終結させたい」との意向を表明し、イスラエル軍に対し中心都市ガザ市を早期に制圧するよう指示したことを明らかにした。エルサレムでの記者会見で語ったこの発言に対し、イスラム組織ハマスは声明で、「拘束下の人質を救う唯一の方法は、攻撃をやめ停戦に合意することだ」と強く反発した。この対立は、中東情勢の緊迫化を一層高めている。

イスラエル政府のガザ市制圧計画と首相の主張

イスラエル政府は、既に8日にガザ市の制圧計画を決定している。ネタニヤフ首相は記者会見で、「我々の目的は、ガザの占領ではなく、住民を解放することだ」と自身の持論を展開。さらに、ガザにおける「飢餓はない」と改めて主張し、人道危機に関する国際社会の懸念に反論した。これに対し、ハマス側はイスラエル首相の発言を「戦争犯罪を正当化しようとしている」と強く非難し、双方の主張は平行線をたどっている。

制圧計画の詳細と国際協議の動き

イスラエル首相府は、ネタニヤフ首相がドナルド・トランプ米大統領とガザ市制圧計画について協議したと発表した。イスラエルメディアの報道によると、この制圧計画は、10月7日を期限としてガザ市の住民を退避させた後、地上侵攻を本格化させる方針が示されている。ガザ市の完全占領には4~5カ月を要するとの見方も出ているが、ネタニヤフ首相は会見で計画の詳細については明らかにしなかった。住民退避の進行状況と、その後の地上侵攻の規模が今後の焦点となる。

イスラエルのネタニヤフ首相がエルサレムで記者会見を開き、ガザの戦闘終結とガザ市制圧について語る様子イスラエルのネタニヤフ首相がエルサレムで記者会見を開き、ガザの戦闘終結とガザ市制圧について語る様子

ガザを巡るイスラエルとハマスの衝突は、ネタニヤフ首相の強硬な姿勢とハマスの抵抗により、解決の糸口が見えない状況が続いている。イスラエル軍によるガザ市制圧の動きと、それに対する国際社会及びハマスの反応が、今後の地域情勢を大きく左右すると見られる。人道的な側面と安全保障のバランスが問われる中、緊迫した交渉と軍事作戦の行方が注目される。

イスラエル軍の攻撃により破壊されたパレスチナ自治区ガザ北部の建物、壊滅的な状況イスラエル軍の攻撃により破壊されたパレスチナ自治区ガザ北部の建物、壊滅的な状況


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