【パリ=三井美奈】欧米とウクライナは13日、オンラインによる首脳会合を開いた。会合を呼びかけたドイツ政府は、ロシア、ウクライナの和平交渉に向けた領土問題を議題にあげた。トランプ米大統領が15日の米露首脳会談を前に「領土の交換」に言及する中、欧州は米国とともに現実的な停戦案を探る姿勢を示し、米露の頭越し合意を牽制(けんせい)する構えだ。
13日の会合は、2段階で行われた。まず英独仏やポーランドなど欧州6カ国、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)首脳がウクライナのゼレンスキー大統領と協議。その後、トランプ氏と会談した。ゼレンスキー氏はベルリンで会合に参加。石破茂首相もオンラインで加わった。
トランプ氏は会合直前、欧州首脳について「素晴らしい人たちで、取引を望んでいる」とSNSに書き込んだ。
NATOのルッテ事務総長は会合を前に米ABCテレビで、国際法の裏付けなしに、ロシアの占領地維持を容認することも可能だと述べた。「ロシアが事実上、ウクライナの一部支配を続け、政治上の法的承認はしない」という妥協策だ。
米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、プーチン露大統領はウクライナが東部ドネツク州などの領土割譲に応じるよう要求。欧州側はウクライナの領土譲歩には、NATO加盟などの安全の保証が必要だという立場を米側に伝えた。